節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

長い前起きが【本】題だ『第2図書係補佐』

……紹介する本の内容を思えば……記事のタイトル、意図せず洒落を言ったみたいになっちゃったな……。

 

変えようかな……上手くはあると思うんだけれどな……でも別に今、上手さ求めて無いんだよな……けれども、まぁ……惜しいな……。

 

……ええか。このままで行きます。

 

……やっぱり【】で強調しとこ。上手さは別に求めていないけれども、さりげなさというか……美意識やスマートさみたいな物はさらに求めていない。それはね、諦めた。中3で。

 

 

 

このブログのメインコンテンツは何か、と聞かれれば、数分黙考した後に「……本の感想?」と答えることになると思う現状で、では参考になるのかなと色々書評ブログやそういう色々を見てみることがあり、その中でこんな本を読みました。

 

 

僕の役割は本の解説や批評ではありません。(略)自分の生活の傍らに常に本という存在があることを書こうと思いましたーー(本書はじめにより)。お笑い界きっての本読み、ピース又吉が尾崎放也、太宰治江戸川乱歩などの作品紹介を通じて自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家、中村文則氏との対談も収録。(カバー裏より引用)

 

という事でネタバレ注意……本筋があるような作品じゃないけれども。

 

 

 

芥川賞を受賞した、芸人さんの書いた書評集!これは参考になりそうだ。いやレベル高すぎてかえって参考にならねえかな、そんなことを考えながら読んでいたら、まず『はじめに』でこんな事が書かれていました。

 

僕の役割は本の開設や批評ではありません。僕にそんな能力はありません。心血注いで書かれた作家様や、その作品に対して命を懸け心中覚悟で批評する書評家の皆様にも失礼だと思います。 だから、僕は自分の生活の傍らに本という存在があることを書こうと思いました。本を読んだから思い出せたこと。本を読んだから思い付いたこと。本を読んだから救われたこと。(5p)

 

まず書評集ではなかったんですね。そこから間違えていた。本人の口から否定されえしまってはこちらは「……そっすか……」としか言えません。

 

そしてこのスタンスは良いなぁ!俺も感想書いているときは常に「お前は何様なんだ」と自分の中の誰かに言われています。怖いねぇ。俺もこのスタンス真似しようか、そう考えたんですけれども、あのね、これは真似したらダメ。できない。実はこの記事このスタンスで書こうとした時期もあったんですよ。やめたけれども。

 

 例えば。古井由吉著、「杳子(杳子・妻隠より)」の文(p27-30)なんかは、まさに『はじめに』の『自らの傍らに本という存在があること』だろう。まさにこの本を貸した、その人との思い出の話なので。

 

もちろんその人が実在し、本当にこんなやり取りがあったかは解らないが、ひとまず俺には捏造すら出来ない。

 

 例えば。パトリック・ジュースキント著、「香水 ある人殺しの物語」の文(p97-100)なんかは、まさに『本を読んだから思いついたこと』だろう。鼻血が出やすいのは現実かもしれないが、そこから流血量保存の法則を唱える占い師が登場する下りは明らかにフィクションだ。

 

そんなフィクションの真似は、俺に出来ない。

 

実際本の紹介として見ると、かなり怪しい部分もある。

 

俺がたまたま読んだ事がある本がいくつか紹介されていたが、京極夏彦巷説百物語」(p77-80)にデカいキョロちゃんは出てこないし、島田荘司「異邦の騎士」(p151-154)は間違っても平和を愛する妖怪が全力疾走する話では無い。

 

森見登美彦夜は短し歩けよ乙女」(p172-175)には確かに不思議な女の子が出てくるが、ここまででは無い。コレに関しては「不思議度」で原作に勝ってしまっている。世間にはすげぇのがいるなぁ。

 

……こんな調子だから、多分「読んだ後に見たら『おっ』となる」みたいな展開は無い。全然関係ない前置きから、少しだけ本の事が触れられて終わりである。むしろその前置きが本題だと言うのは、この事だ。

 

しかし読んでみると何故だかいくつか気になる本は出てくる。その本についてはほとんど解らないというのに。

 

この辺りの秘密を明らかにし、身につければ相当の武器となり得るが……まぁ、やめておいた方が無難でしょうね。

 

参考にはならなかったが、それでも普通に面白い。読書のネタに困ったら読んでみると良いんじゃないでしょうか。何か気になる本がきっと見つかるだろう。当ブログは慢性的にネタ不足だ。そこを助けてくれるだけでも歓迎よ。