なんだか物凄い話題になっていますね、鬼滅。落ち着いてから観に行こうかな、と思ってたんですが、……の声優バレを踏みまして、じゃあ頃合いかな、と行きました。
……アイツの名前、出したらアカンのかな。ネタバレ注意ってやってからじゃないとトラブルの元かな。公式ビジュアルにも出たしもうええだろって気はするんですが。念のため隠しとこ。
そんで今回、個人で出来る密回避+映画業界へのささやかな応援として、エグゼクティブシート初体験をしたんですが、まぁ良かったですね。しっかり腰を据えられるし、足を開ける!伸ばせる!まぁ残念ながら、エグゼクティブじゃなきゃ駄目だぜってレベルの脚は持っていないのですが、それでも個人のスペースが広く取れるのは良い事だ。とても快適だったのでまたやろう。金の都合が合えば。
DVDが発売したら差し替える予定です。忘れなければ。
あらすじ……蝶屋敷での修行を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》の一人、炎柱、煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのであった。(映画公式サイトより引用)
というわけでネタバレ注意。若干本誌の内容も含むと思います。ボカすけど。
俺が連載を追い出したのは……鬼いちゃん(アニメ勢への配慮)の過去回想を見た友人に「めっちゃお前の好きそうなキャラがいるぞ」と言われたのがきっかけで。ちなみに結果としては好きでした。自身の人生には何一つ後悔をしなかったけれども、唯一心残りがあるとすれば……と言うところがね。
だから煉獄さん、俺が追った頃にはもう死んでたんですよね……。無限列車をリアルタイムで追ってた人たちの情感には、迫ることが出来ない。残念。
120%楽しめるのはその人たちの特権でしょう。
……100%楽しめたから、良いけどさ!キャラ毎にまとめていきましょう。
竈門炭治郎
「無意識領域に敵意を持って侵入した者を浄化し、現状が夢だと気付くと直ぐに自殺して起きる奴」
我らが主人公。今や見かけない日が無いぜ。よく行くコンビニがローソンだからな。道端にもよく居るしな。いろんなお店にいる。鬼は発狂しますよこんな世界。
まぁ、その「光っぷり」であるとか、あるいは「長男っぷり」と言うキャラクターとしての個性については、作品の内外で散々に言われ倒しておりますので、こんな場末のブログでわざわざ長々と書くこともないでしょう。
……後半の「全く同情できない鬼」に対する辛辣な対応とか、現状言われている個性とはまた違った魅力がしっかりある、と言うのは個人の見解として書いておこう。俺は好きだぜ、半天狗。人として全く褒めるべき所が無い点が、鬼のお前の魅力だった。でも人気投票の順位は納得。お前に票入れるなら奉行様に入れるわ真面目に考えて。
印象に残るはなんといってもその死にっぷり。ジョジョの死神13(デス・サーティーン)方式だったら終わっていたぜ。夢だと認識し、名残惜しくは思うけれども、最後は己の為すべきを為す。
そして趣向を変えた夢を見せられた際のブチ切れ!声優さんのど迫力溢れる演技が凄かったです。
「言うはずが無いだろうそんな事を俺の家族が!」
文章としての順序がめちゃくちゃなのが良いですね。コレに関しては言いたいだけだ!伝わるかどうかは知らんがコレだけは言ってからお前を切るんだ!
煉獄杏寿郎
「寝てても殺気を感知して妨害してくる、攻撃力と攻撃範囲がエゲツない奴」
劇場版の主人公。貴方の「うまい!」があんな音量だとは知らなかったよ。「同じ車両の人に迷惑だ」と至極真っ当な理由で強制下車されるルートもあり得たよアレは。貴方の「うまい!」で物語が詰む。
そう。貴方がいなければ詰んでしまう。魘夢だけなら炭治郎たちだけで、犠牲者を出しながらも倒せたかもしれないが、その後がねー……アイツとの戦いはアイツの項でやろう。
魘夢戦では後方車両5両の防衛を担当。肉の触手はそんなに硬くはないので、恐らくは高速移動からの壱の型連打でイケるだろうが……逆に言えばそれは愚直にスーパーハードモードのシャトルランをするしか道が無いという事でもあり、柱としての基礎体力の高さが窺える。やり遂げたぜ。他にも魘夢討伐時の衝撃を和らげたり、いなければならない人だった。それを言い出すと今回全員そうなんだけどね。
鬼滅映画を観ました。
— 雑踏虫 (@zatto_mushi) 2020年10月28日
煉獄さんの「うまい!」が思っていたより3割増くらいでビックリしました。
その内ブログにも書くでしょう。
それにしても「うまい!」がデカい。一番印象に残ってしまった。もっと色々あっただろう俺の無意識。
禰豆子
「なぜか人間の味方をしている無賃乗車の鬼(切符を媒介にする術が効かない)」
影のMVP。いなけりゃ難易度爆増ですぜ。
1人だけ「無賃乗車」をしていた事が、その活躍の主要因だ。レイチェル(Baccano!)の枠に入れてやろう。この枠に2人目が入る日が来るとはな。
……なんで無賃乗車してたんだろうね?炭治郎は筋を通すために買いそうだけれど……買った以上は確認のために外に出しておかなきゃいけなくなって、そうなると「なんだこの猿轡!」ってなるからかな。外には出られない時間もあるしな。……単なる経費不足じゃねえだろうな。鬼殺隊の経営母体ってどうなるんだろう……この辺り突き詰めると柳田理科男先生ですが。あくまでもネタとしてね。
「明らかに不審な見知らぬ人間」に対しても攻撃しないあたり、鱗滝さんの条件付けの頑強さが伺えます。結局、頭突きというか「直接攻撃」を喰らったのは長男だけでしたし。でしたよね?
爆血によるギミック解除、及び前方3両の防衛を担当。流石に全方位を囲んだ鬼相手の戦闘を周囲防衛しつつ熟すのは難しい……1人では。……でも案外良い勝負は出来てたね。この時点で。
我妻善逸
「無意識領域から同性を排除する、なんだか寝てた方が強い奴」
恐らくは魘夢が最も想定外だった相手。「寝ない」は解る。「寝てもすぐ起きる」も、まぁ、解る。「殺気を感知して直前に妨害を掛けてくる」も、言いたい事はあるが呑み込もう。
お前「寝ながら戦う」のはどう考えてもおかしいだろ。そうはならんやろ。けれども実際……なっとるんやなあ。じゃあしゃあない。……しゃあないか……?本当か……?なんだか騙されている気がするぜ……?
前方3両の防衛を担当。コレもまたハードモードのシャトルラン……まぁ、コレに関しては常日頃出している技がほぼシャトルランなので。「慣れ」という側面から見れば。
人気投票1位おめでとうございます。別に違和感は無い。キャラ性が掴みやすいし、魅力的ですよね。起きてる時もちゃんと格好いいと思うぞ。伊之助から禰豆子ちゃんを守るところとか良かったよ。嫌われやすいというか、賛否ある部分はあるけれども。
あの人気投票も色々と言われているけれど……人気投票で主人公が1位になるのは大変な事なんですよ。どうしても「俺が票を入れなくても取れるだろ」ってなっちゃうから。俺もサブとかに入れがちだし。チェンソーマンのコベニカーはふざけずガチで投票した人もいるだろう。真面目に活躍度、相当高いから……。
嘴平伊之助
「無意識領域から外敵を排除する、どこを見ているのかよくわからない奴(視線を媒介とする術に耐性)」
君が2番目に起きるのは意外だったな……。だいぶ夢にのめり込んでいる様だったから。楽しそうで良かったですねえ。個人的に一番、株が上がったかもしれない。最後の下りが良いですね。
起きてからは乗客防衛……をしているところで煉獄さんに指示を受け、炭治郎と魘夢討伐組に。
炭治郎を刺した相手への対応も……最終的なものを含めて、良いバランスですね。炭治郎だけだとどうしても「良い子過ぎる」対応になってしまうので、そこで一言文句を言いつつ、まぁ、最終的には折れてくれる、という。
禰豆子ちゃんをイジメてた頃とは大違いだぜ……いや根本は変わって無いんだけど。人柄が解れば見え方もまた変わりますね。それもまた人生……英語で言うとLife……。
魘夢
「……という個人メタが集団で襲いかかってきたんだけどなんか悪いことした?」
悪いことしたから襲いかかってきたんだろ(辛辣)。
……真面目に、対応に悪手は無かったよ。家族を侮辱したらなんか相手の攻撃力が上がったが……アレはハンデスを打ったら相手が暗黒界だった、みたいなものなので……まぁ、事故。
【暗黒界……遊戯王のカテゴリ(カードが属する集団)の1つ。『手札から捨てられた時』に効果を発揮する対ハンデス(手札破壊)集団。『相手に捨てられた』時だと効果が強くなる。中には『相手に自分の手札を無理やり捨てさせる』奴とかもいる。自作自演じゃねえか】
自殺フェイントも良いですねえ。「コイツすぐ自殺するやん……」とちょっと引いてからの、即興で「それを利用する策」を考え、実行する!ちょっとメタられてすぐに戦意を喪失する様じゃね、駄目ですよ。手持ちのカードでなんとかできないか考えないと。見習っていかないといけませんね。
アイツの前座っぽくはなってしまったけれど、それでも良い悪役をしていました。
散り際でやられたメンバーを一人一人講評する流れも良かったですね。ああいう風に負けてくれると勝った方も嬉しい。俺もなんか、作った良い感じの盤面が突破された時にはああいう感じで負けていきたいですね。「まだ何も出来ていないのに……」とかは良くあるから、もう一声頑張って「突破が難しい盤面」を作れれば。かつてはユベル第二形態とネフティスを並べるのに一苦労でねえ……。
炭治郎のセンサーに反応しなかったので、多分「人だった頃からロクでもない」属。そういうのもいます。それも人生。初めの方で配られてた冊子でなんかあったらしいけど、俺が行った時には配布終了してました。残念。パンフも高い奴しかなかった。
猗窩座
「……という魘夢討伐クエストの終盤に乱入してくるMHの強豪モンスターみたいな動き方する奴」
マジでポジションとしては近いですよ。(後で戦う際と比べれば)油断してるし、時間経過で去ってもらうしか(少なくともその段階の主人公にとっての)勝ち筋がないし。
しかしてその実態は「お前近くにいるなら新人の仕事の様子見に行って。なんか敵対企業が来てるみたいだから倒しといて」とパワハラ社長に命令された悲しき中間管理職。いや悲しくもねえか。敵対企業の管理職を社長に無断でスカウトしようとするんじゃない。スカウトに時間を掛けすぎて、結局仕事を終わらせずに逃げ帰る事になってしまったので、あの後社長にめちゃくちゃ怒られます。残念ながら当然。
そんな説教シーンは映画ではカット。まぁギャグになっちゃうしね。アニメ2期でやるなら片膝を付いて報告していた所から超高速で正座(受動説教姿勢)に移行する流れをしっかりやってほしいです。2期初登場がそのシーンになるのかよ猗窩座殿。なるんじゃない?あのシーンそれなりに大事だし……。
そんな風に茶化せる部分は茶化します(そして本当に『茶化せる部分』なのかの議論からは逃げます)が、しかし煉獄さんとの死闘は壮絶の一言。猗窩座が初め勧誘目的に手加減していたというのはあるにしても、しかし適切にそれに食らいつき、対処し……そして「機会」を逃さない煉獄さんの決意と気迫!アレは煉獄さん負けてねえっスよ。鬼としてのスキルを全部リジェネに振ったような馬鹿げた回復速度もしっかり描写されてましたし。
……で、煉獄さんの決め台詞がバシッと決まるじゃないですか。
「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ」
が。
この台詞、後になって鬼殺隊の「覚悟のキマリ具合」がわかってくるとどんどん重くなっていくというか……そんな環境の最前線にいる煉獄さんが「美しさ」という表現をここに持ってくる意味、みたいなものを考えてしまいますね。本当に簡単に死ぬから。鬼殺隊。だからこそサイコロステーキ先輩みたいな存在も際立つんですけれど。
総じて完成度が高く、続きも気になる良い映画だったんじゃないでしょうか。
それにしても煉獄さんの「うまい!」がデカい。マジでびっくりした。皆さん気を付けてくださいね。思っているより2割はデカいぞ。尺も長いし。