節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

シーボーズVS海坊主

シーボーズとは、怪獣である。

 

初代ウルトラマンに登場した「亡霊怪獣」だ。「骸骨を演じる歌舞伎の黒子」の様な不気味な外見とは裏腹に、至って温厚な性格をしている。宇宙にある「怪獣墓場」から、うっかり地球へと来てしまったが、ひたすら「帰りてぇ」「よく解らん場所に来てしまった」「帰りてぇ」と駄々をこねるばかりであった。

 

全く知らない秘境の駅まで寝過ごして、無理矢理そこで降ろされた様な悲哀があった。

 

海坊主とは、妖怪である。

 

船に乗っていると低確率で出現するらしい。魚が化けたとも、水難事故の被害者だとも言われている。「物理攻撃にて船を沈める」という、カラテタイプの脅かし方を好む。持っている柄杓で船に水を掛けまくって沈めるのは、「船幽霊」っていう別の妖怪です。俺も勘違いしていました。

 

でも、それをやる時もあるらしい。あと、川とかに出る日もあるらしい。よくわからない。妖怪はそういう物ですね。

 

シーボーズの名前の由来は、海坊主だと云う。Sea(海)ボーズ(坊主)。なるほど。理は通っている。

 

……通っているか?

 

シーボーズはどう見ても海坊主ではない。海坊主の実物を見た事はないので、似てるかどうかはなんともいえないが、この見た目で「骸骨」よりも先に「海坊主」を連想する事があるだろうか。「ガシャ髑髏」とか「狂骨」とか、色々といるだろうに。

 

……「ガシャ髑髏」が当時妖怪として定着していたかどうかはかなり微妙だけれど。アイツ、昭和にでっち上げられた存在なので。

 

……脚本で「海坊主型の怪獣」が先にあって、それの造形に難航し、如何にも「亡霊」の様な骸骨イメージに変更されたが、名前は脚本のモノがそのまま残った、というところだろうか。

 

謎は深まるばかりだが、響きは良い。シーボーズ。声に出すと謎の脱力感があり、アイツに良く似合っている。

 

シーボーズと海坊主が戦ったらどうなるか。

 

コレは海坊主の圧勝である。シーボーズ、海に入ったら、そのまま溺れるのが目に浮かぶ。あんなナリなので沈まないかな、ワンチャンあるかな、と思ったら、体重が3万トンあったのでもう駄目です。亡霊怪獣に何故質量が3万トンもあるのか。その謎は人間にはまだ早い。

 

ハンデだ。海坊主さんに頭を下げて、舞台を陸に変えてもらおう。浅瀬にしようかな、と思ったが、それでもシーボーズには危険と判断した。膝丈までの水位があれば、人は溺れられるのだ。皆さんも気をつけてください。お風呂とかもそこそこ事故があるそうです。

 

取っ組み合って仕舞えばシーボーズが有利か。なにせ3万トンの体重がある。質量0の海坊主とでは、階級差がエラーを吐くレベルで存在し……。

 

待った。海坊主も質量0ではない。最低でも「船を沈めるレベルの物理攻撃」は出来ると見なすべきだろう。それくらいの質量と、あと格闘センスはある。

 

ダメだぁ。シーボーズに勝つ方法がない。

 

俺の中のシーボーズが弱過ぎるのかもしれない。

 

「怪獣音頭」の「何にも出来ないお人好し」「いつも泣いている弱い奴」の歌詞に、いつもシーボーズくんが思い出される。そんな言い方はないだろう、きっとシーボーズくんにも出来る事はある、そう擁護してみたくなるが、そもそもこの歌詞に続く名前はザザーンである。コイツはヘドロの怪獣で、ワカメとモップを合わせた様な見た目だ。タッコングにやられた。

 

とはいえタッコングも決して弱くはない。多分ザザーンとシーボーズくんが戦ったら、ザザーンが勝つ。ザザーンも決して「何も出来ない」訳では無いとは思う。

 

しかしシーボーズくんほどには擁護する気持ちが湧かない。ザザーンは「お人好し」じゃないだろ、とそっちが気になる。普通に街壊しまくってたんだから。

 

シーボーズくん、まぁなんだ。スマブラでもやろうか。君にはインドア系の才能がある気がする。アウトドアと比較すれば。相対的に。

 

海坊主やザザーンは基本水中にいるので、スマブラ出来ませんね。そこはシーボーズくん、彼らに勝っている。良かったね。

 

まぁ、墓場でスマブラやんのもどうなんだ、とは思うけれど。