節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

主役は遅れてやってくる!「炬島のパンドラシャーク」

「『冒険者ギルドが出てくる小説』と『サメ映画』はーーとてもよく似ていると思うの」

 

(中略)

 

異世界転生や転移ものではお馴染みの冒険者ギルドという舞台装置(ガジェット)… そこに各作品の様々なオリジナリティーが加わって最終的に全て別の物語になるわけじゃない?」(もちろんギルドが無いパターンもあるけど)

 

「サメ映画だってそうよ人を喰うサメという舞台装置は同じでもそこに竜巻とかゴーストとか悪魔とかゾンビとか砂を泳ぐとかアトミックとかロボとかメカとかジュラシックとかジャパンとか頭が二つあるとか頭が三つあるとか(中略)頭が六つあるとか色々な要素を付け加えてオリジナリティーを出すわけじゃない?」

 

(中略)

 

「もしかしてシェイクスピアはサメだった…?」

【デッドマウント・デスプレイ7巻 61話より引用(一部抜粋)】

 

成田良悟の作品には、ちょくちょく鮫が登場する。

 

Baccano! (2002)では、登場人物の内の何人かが「サメ(の出てくる)映画のイベント」で舞台となる豪華客船に乗り込んだ。以下にその映画紹介の部分を引用する。

 

奴らは、空を食い尽くす!

 

行方不明となった父を探しにカリフォルニアにやって来たカーリーと娘のアイーシャは、そこで父の残したノートを見つける。そこに書かれていたのは、魔術めいた奇妙な紋様と、引金の存在しない銃が一丁のみだった。そして、父の謎を追う母子の前に、突如として『空を泳ぐ鮫』群れが襲い掛かる!——だが、そんな彼女達の前に現れたのは、全身を歯車に包んだ奇怪な英雄だった!

 

ジョン・ドロックス監督作品

大好評コミック『モード・ギアーズ』シリーズ

映画化第2弾【シャーク・フライト】!

 

2003年春、マクダネルカンパニー配給 全世界同時公開予定

 

(バッカーノ!2002【Aside】Bullet garden P67-68)

 

 

……お察しの通り、大スターが「出るぞ」と言ったら、「仕事選べ」と言われる様なシリーズではあったらしいよ。あと、役者だけじゃなくて、サメのアニマトロニクスも船に乗りました。映画未見の可愛い女の子のファンも増えたようで、良かったんじゃないでしょうか。

 

船は大変なことになりました。

 

 

 

デュラララ‼︎では、「一人一人、四角く切り取られた青の広場を必死に護ってるサメ達の集まり」を名前の由来とするカラーギャング、ブルースクウェアが登場する。

 

物語の開始時点で「表向きには」既に解散していたチームではあるが…………その「残党」がもたらした影響は、かなり大きい。彼らが居なければ、物語は全く別のルートを辿っていただろう。

 

メンバーも「ヨシキリ」「ギン」「ニタリ」「ミツクリ」など、サメに由来する者が多い。「ネコ」は微妙だ。確かにネコザメっているけれど、彼に関してはシンプルにCatが名前の由来である可能性を否定できない。顔がネコだから。いや変な意味じゃなくて。

 

 

 

ヴぁんぷ!に登場するのは【ディープディープディープ海色(ブルー)】のジョージさん。メガロドンの吸血鬼だ。この記事でも少し触れましたが。

 

 

zattomushi.hatenablog.com

 

 

……ちょっと嘘。登場はしていない。

 

「条件が揃うと周囲に状態異常を撒き散らす、とある傍迷惑な吸血鬼」の輸送兼隔離兼懲罰の手段として名前が挙げられただけである。頼めば口に入れて運んでくれるくらいにフレンドリーな人……鮫ではあるらしい。

 

ウミガメを頭に乗せるのが趣味だそうだし、わりかし話せばわかる人……鮫なのだろう。好物もウミガメだそうですが。自然の摂理。致し方なし。

 

あと話せばわかるとは言ったけれど、テレパシーにのみ対応しているタイプの吸血鬼です。ティラノサウルスの同類だね。

 

zattomushi.hatenablog.com

 

 ……『虹』、本編でも言われているが、本当にB級ハリウッド臭が凄い組織だ。

 

 

 

越佐大橋……コレは鮫出てたっけ……。

 

……上記のブルースクウェアと、無関係では無い?

 

後、登場人物の1人が多分、サメ映画を滅茶苦茶に語れます。アクション映画全般イケる人がいるので。

 

 

 

最近の作品だとFakeには……。

 

……アレは多分、やな……。

 

まだ確定はしていないけれど……。

 

 

 

そしてデッドマウント・デスプレイだ!

 

デッドマウント・ディスプレイは一番サメっている。謎の動詞だがしょうがない。そういう動詞があった方が良い表現ができる土壌というものがこの国にはあるのです。俺以前にも使っている人は絶対にいるし。

 

 

zattomushi.hatenablog.com

 

 

まず1巻から「動くサメのぬいぐるみ」がほぼレギュラーで登場し、そして四乃山小夜さんがいます。この人がどういう人かというと、記事冒頭の台詞の人です。



 

そんな作品を描いてきた成田良悟が、初めてサメを「主軸」に据えた作品。それこそが「炬島のパンドラシャーク」である!

 

 

 

【あらすじ(第1歯)】

 「人食い鮫ヴォイド」。それが全ての始まりだった――。かつて248人もの命を奪う未曽有の獣害を引き起こした怪物は、若き天才研究者の紅矢倉雫によって退治された。10年後――海上に作られた移動型海上研究都市「龍宮」では、科学技術研究や海洋実験が盛んに行われている。だが、ただの研究施設ではない。恐ろしい“秘密”が隠されていた。人々に畏怖をもたらしたヴォイドの呪いは決して消えはしない。研究所の奥深く、物言わぬ“それ”は、いったい何を考え、何を想うのか。誰も知る由もない……。裂け! 穿て! 食い破れ! 『デュラララ!!』『バッカーノ!』シリーズの成田良悟が放つ、書き下ろし新シリーズ“サメ”エンタテインメント小説!

 (Kadokawa 商品紹介ページより引用)

 

以下ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

どれくらい間隔を空ければいいのか未だに解らんね。

 

ウェイ、そんなわけでパンドラシャーク読了後の感想です。「読みながら」書いたメモはこちらになります。

 

zattomushi.hatenablog.com

 

……とはいえ序盤も序盤ですので、このメモ以上の何かを示すには、発売直後の3歯の内容に踏み込まざるを得ない。もう一段階ネタバレ注意を挟もう。

 

あとこの感想なのですが、全然「客観的」とか「中立」とかとは意識していない感想なので……もう少し取り繕わずに言ってしまえば、「イグジットⅡ」とか「廃棄された島」とか「大企業ネブラ」とかの単語だけでキャッキャできる人間の感想なので、その辺りは意識していただきたい。

 

……実際、その辺りの単語がなんのことだか解らん人が読んだ場合、どうなるか俺にはわからないので。多分、面白いは面白いと思うのですが。

 

「まだ何も始まってねーじゃねーか!」とか「序盤も序盤じゃねーか!」と言われたら……そこに関しては「……そうだよ……?」としか言えないので。

 

嘘。

 

「そうだね!じゃあ物語が進むまでの時間潰しに、今回の人工島の技術の元になった地の話でもしようか!」となります。ので、迂闊に言うなよ。

 

 

 

さて3巻の感想だ。ネタバレ注意

 

……市長おっぱいでっか!

 

いや、まぁ、初めはそこよ。表紙ですよ。そら、キャラ紹介ページでも解ってはいたけれども。でもなんだろう、どこか既視感があるんですよね。表情とか、スタイルとか……雰囲気もなんとなく……どこで見たんだ…………?

 

……淫獄団地のカンザキさんか……。

 

俺はあの人を見てから「これで人格が悪質訪問販売に支配されていなければなぁ」という想いを常に抱えていたんだ。でも市長を「まともなカンザキさん」を見る目で見たらいけないと思います。両者に対して失礼だ。

 

そしてサメ……「ヴォイド」の本格登場!

 

いや、作品の出来の心配はしていなかったのですが、もう少し登場まで引っ張るかと……「サメ映画ミーム」へのオマージュとして、出番がなかなか来ないなんて事も考えてはいただけに、これは嬉しい誤算。

 

なんせネームドキャラをガッツリ食いますからね!

 

過去編というか……現代で「食われた」事がガッツリと描かれているキャラではあるので、「まさかあのキャラが食われるとは……」みたいな方向での驚きの様なものはあまり無かったのですが、それはそれとして起承転結の承から転にかけて描かれるかな、と勝手に考えていたので……もしかすると、進行、結構早い?

 

なにせ「アクシデント」が発生し……とうとうアイツまで解放されたのだから!

 

……不慮の事故だったんだ……!

 

博士がやらかしたのかと思っていたけれども……未必の故意って可能性もあるので、まだ断言は出来ませんが……「今このタイミングで」やらかす気は無かったのかな?

 

さて子供たちやネブラの視察もいる中で、アイツはどの様に泳ぎ、そして何を食らうのか。人の思惑がさまざまに交差する中で、最後に『笑う』のは果たして誰なのか。

 

炬島のパンドラシャーク、まだまだ目が離せない!

 

 

 

……サメ映画において「統治する土地の為なら何かを『切り捨てる』判断を下せる市長」って、つまりはそういう事なんですかね。市長、生きてくれよ。最後まで油断するなよ。続編フラグの子供とか怖いから。

 

……まさに今回の主役が『そういう存在』なのは、今気づいた。

 

ミームも馬鹿に出来ないね。