【あらすじ 同居している外国人労働者の同僚に彼氏が出来たから色々付き合わされる話】
両手に持った棒の先にある電極を水の中に浸して、水中の川魚やカニやウナギなどを感電させる。失神した淡水生物は簡単に回収できるから、そうやって捕獲した獲物を家で食べたり市場で売っていたりしていたのだと言う。その漁法は違法らしかったが、絶対見つからない、と彼女は言う。
(文學界四月号 P243)
……電撃(ビリ)漁……!知っているぞ、有名な違法漁法だ……!パンドラシャークで見た……!
パンドラシャークの続刊、どんな具合でしょうかね……。ヴォジャノーイが登場したところで一区切りとなり、確か電子版でも続きは出ていなかったはず。成田先生は下巻の執筆をしているらしいので、動きはあるのでしょうが……その際には上巻も含めて感想を書くか。
……「彼」、ヴォジャノーイと入れ替わりで、本当に出番は終わりで良いんですかね?いやぁ……俺にはそうは思えんのよ。アイツの所属、アレがアレなので、死の偽装くらいは全然やるから……。
……やると言うか、結果的に出来てしまうと言うかムニャムニャ……確か「社員全員」では無かったはずなので普通に死んだ説もモニョモニョ……。
この辺りは恐らく例の震災か。地理・時期的にはだいたいあの辺りのお話、としておこう。後でまた変わるかもしれないし。あっち・あの時の豪雨だとしても筋はある程度通るしな……。
……天災に関しては本当にどうしようもねえ国である。ううむ。
一緒に働くことになっている外国人の子が相部屋を希望しているから一緒に住んでくれないかと店長から相談されたときはさすがに少し迷った。でも二人で折半すれば寮費は半分ですむし、部屋は他にも空いてるからイヤになったらすぐに一人部屋に移れると言われ、会ったこともない外国人の同僚と同居することを決めた。
(文學界四月号 P244)
……まぁ、同性・同僚(同格)であるならばなぁ……。
昔の同僚がさぁ、おんなじノリで会社から話を聞いて、「良いよ!」つったのよ。
本人がよく聞かなかったのか、会社の説明が半ば意図的に雑だったのかは知らねえけど、「上司」と同部屋だったんですよね。
正確には「上司の上司たち(と立場上は同格なんだけど社内派閥的にはその中でも一段上のまとめ役)」くらいの、そこそこ以上に偉い人。単身赴任で会社契約の寮に入ってて、その上でこっちでの住まいにあんまり金使いたくねえっつって、そういう話を会社に持ちかけたらしいです。マヌケは見つかったようだな。
……夜遅くまでコンビニとか漫画喫茶で時間を潰し、なるべく一緒にいる時間を減らそうとするA君の目は死んでいた……。結果、出費、増えてますからね多分……。
……「元」同僚って言う通り、彼はもう辞めましたがね。そりゃそうよ。いやこの話はフィクションですけど。
まぁそういう話に繋がってくるか。ドロドロしそうだな。
やはり地震……。
苔良いよね。アンガールズの田中も好きだって言ってたよ。アンガールズの田中は好きなんですけど、アンガールズの田中はアンガールズの田中であって、敬称をつける気にはならんのは何故でしょうね。つけた方が良いんだろうけれど。芸能人はその辺り難しい。
いつだったか力一さんも「平沢進」の敬称で悩んでいた記憶がある。力一にさんをつけるのはなぜだ?これは敬意どうこうという問題以前に、文章の中で「力一」という単語が突然登場する場合、それが名前だと分かりにくいからですね。ぱっと見が「かあ」なんだよな。
あたしは体力テストで伏臥上体反らしをする男子中学生のような形をした本州の股間あたりを指さし「ここ」と答えてから 「あなたの田舎はどこですか?」と聞き返してみる。
(文學界四月号 P247)
……どこだ……?
(「伏臥上体反らし」を画像で検索する)
あ、これか……。
……どこだ……?
冷静に考えれば「あの地震で影響を受けた辺り」、広すぎて特定が出来ないぞ……。俺の地元でも距離自体はかなり離れているが被害は確か出ていたはず……いやマジで震源の方々からすれば軽いが、しかし「影響がなかった」とはいえないのだ……。「男子」である事に意味がある……?
…………「出っ張り」……アソコか……?
連想の経緯が酷すぎる。
彼はそう言って木目模様が印刷された折詰を開いた。 一面のこげ茶色。まず目に入ってきたのはその色で、 こげ茶色が縦方向に並んでいた。だけどその形状のせいで完全な平行線には見えない。 錯覚画みたいだ。最初は四列に見えていたが、よく見ると切れ目はひとつで、物体自体は二列だった。 さらによく見ると横方向にも三本切れ目がある。 二かける四。そこには八個の直方体が詰められていた。
「うなぎ」
(文學界四月号 P248)
こう書かれると数学の図形の問題っぽさがあるな。多分錯角や同位角、対角を利用し、線分の長さなんかを求めつつ、最終的には三角形の相似なり合同なりを証明する系の問題だろう。
久しくやっていない。今やっても解けるだろうか。合同条件とかは多分覚えてるんですけどネー……細かい部分のセオリーはもう忘れてしまったよ。数学に重要なのは数感。刃牙道にもそんなセリフがあったような気がする。
自分が夜の田んぼで感電させてきた生き物がそんなに高価で販売されているのだから。
(文學界四月号 P248)
一瞬「感電させられてきた」に見えて、デンキウナギ!?と思いましたが、違いましたね。普通のスーパーにデンキウナギは売ってねえよ。
ところでデンキウナギってウナギとは全然違う種類なんですね。ウナギはウナギ目、デンキウナギはデンキウナギ目だ。こういうことを言うと「目って何だよ」となると思うが、そこは各自で調べてください。なんで俺がそこまでせにゃならんのだ。
あとはデンキウナギといえば、カーレンジャーの緑が雷嫌いを克服するために食っていましたね。まぁそんな事はどうでもいいんだ。
さあこうなると彼女の話をもとに英語を介して互いの辞書からさぐりだしたものがうなぎだったのかさえあやしくなってきた。 最悪、彼女がヘビとうなぎを取り違えている可能性だってある。 水がないときは土に潜っている。 と言った彼女の説明からして魚というよりヘビっぽい。ただ、すでに何が違うのかはこの際どうでもよかった。
(文學界四月号 P249)
……これは、マジでデンキウナギでは……?
……いや違うな、恐らくこれは、タウナギ……!
大阪とか奈良とかの方なら日本にもいるようです。一応関東での目撃情報もあったはず……。タウナギもタウナギでタウナギ目って言うところに属する、ウナギともデンキウナギともタウナギとも全く別の種類の魚です。だから目とはなんだ。興味ないやつに説明するのは難しいんだ。興味がある人に説明するのはそれはそれで怖いし。この分野は分野全体からすれば素人なのですがお前よりは詳しいと自負がある故の質問が飛んでくる。怖いね。
そうはいってもパッと見は同じだからなぁ。ポケモン風に「この中から好きなのを選べ」と言われて、ウナギ・デンキウナギ・タウナギだったら、まぁ困るよね。「一目で大体の属性が推察出来て、しかもその強弱関係までなんとなくわかる」という意味で、やはりポケモンの御三家はエポックメイキングですねぇ。エポックメイキングってなんだ。よくわからん。わからん横文字を雰囲気で使うな。はい。
デンキウナギが「みず・でんき」なので他に有利なように一瞬思えるが、タウナギは「みず・じめん」なのでそれは罠だったりする。ウナギは「みず・どく」かな。あのヌルヌル毒なんですよね。
おお、このまま爽やかに終わるかと思ったら。
いやまぁそうなるわな。問屋!
「私のほうが先にあの人のこと、好きになったんです。 あの人が四月に市役所に入ってきたその日に好きになったんです」
(文學界四月号 P251)
B(W)SS(僕(私)の方が・先に・好きだったのに)だ!
近年はNTRとは明確に別ジャンルであるとの見方も広がり、その背景には「単なる快楽堕ちまでNTRに加えられている」など、「純愛ではない」作品の安易なNTR認定があり、それに対する反発ではないかと専門家の指摘がありそう。俺は知らん。この分野は素人なので。この分野は分野全体からすれば素人なのですがお前よりは詳しいと自負がある故の質問が飛んでくる。怖いね。
まぁ誰かの地雷を踏んだけどそれが地雷と知らん人の反応なんてのはそんなものよ。不意打ちでびっくりさせてやろう。
……対応が……穏当……!いやまぁ、リアルといえばリアルではあるけれどもだ。
七月に入り、 彼女が数ヶ月に一度国に送金しなければならないお金の額が突然、半分になった。正確に言うと日本円を彼女の母国の通貨に両替すれば、以前よりも倍の価値を持つようになったということだ。母国に送金する借金の返済分が半分以下になったということは、国に帰って家族のために使おうと貯金していたお金の価値も倍になったということだった。
(文學界四月号 P257)
この辺りは自分には手に負えない情勢の影響をモロに受けるので海外から来ている人はマジで大変ですよね……。今回はたまたま好転したけれども、運が悪けりゃ逆もあるわけで……。
どうやらあたしは親の意向によって引き裂かれるふたりの悲劇的展開のようなものを勝手に予想していたらしい。
(文學界四月号 P259)
勝手に劇的なドラマを望むのは確かに厄介であるなぁ。特に実在の人物にそれを求めるのは……と書いたが上で俺もB(W)SSにやってたわ。反省……。
……いやでもフィクション作品にはそれを期待してこそ、じゃないか?……という気もする。作中での「実在の人物」は、こちらには、少なくとも「そのまま実在」するわけではないのでな……。
例えばもっと上に居る元同僚のA君に、「なんで普通にやめるんだよ!上司と戦って己の権利を勝ち取るんだよ!」みたいな事を望む、もしくはもう直接言ってしまったら、それは反省が必要だが、俺は彼については当時から「……しゃあないっすね……」としか思っていないので、セーフでは……?……仕事が増えるから「……しゃあないっすね……」の3点リーダー部分は許してくれよ。実際A君がやめた直後は色々大変だったんだよぉ。
……ああいや、違う。アイツもフィクションです。非実在!
……読み終わりました。
最初に彼女が泣き出しちゃった流れなんかからは、もっと陰鬱な物語の流れを想像していましたが、思ったよりも爽やかに終わりましたね。いや道中は色々あったが、温泉旅行なんかはマジで爽やかな流れで、うむ。
「外国人の目から日本という国を見る」とか、そういう要素がある場合、過度に良く見ていても、過度に悪く見ていても、俺は割とウゲー……ッとなってしまうのだけど、今回はそういう事はありませんでしたし、最後まで面白く読めました。
そういう風に言われてみれば「ああいう風に始まった恋がなんだか爽やかに終わる」みたいな話の流れも人によっては「都合の良さ」みたいなものを感じる場合があるだろうに、そういう事にもならなかった。まぁ結局人による部分はあるでしょうがね。
フラットな視点でありながら、それはそれとして「視点の差」自体はしっかりある……彼女が故郷で食ってたのは結局なんなんだろうか。多分タウナギであっていると思うんだけど……。
ウナギとタウナギという「素人目からは同じような動物にしか見えないが実はぜんぜん別の生き物」を、日本人と外国人に見立てている、というようなこじつけも出来なくはないけれども……これは多分たまたまじゃないかなぁ。それやるんだったら「タウナギ」という生き物の名前を出すと思うんだよなぁ……。それとも敢えて省略する高等テクニックなのだろうか。
純文学には「答えがない」。それ自体はよく聞く言葉ではあるけれど、しかしこれについてはなんか、どこかで明らかにしてくれても良いんじゃねえかなぁと思うのは、やはり純文学の読み方として、どこか間違っているのだろうか。
まぁ「答えがない」……転じて「正答がない」問題で間違えるのも、なかなかオツなモノだとは思うので、別に良いんですけど。「これは正答ではない」を繰り返していけば、消去法でいずれ正答にたどり着けるかもしれないし。
なんでしたっけ?ヘンペルのカラス?
その例えダメな奴じゃなかったかな。あれ。理論上はイケるけど現実的にはまぁ無理だよねみたいな話だったっけ?なんかどっかで根本的に間違えてるんでしたっけ?
ん?……わからねぇなぁ。答えがないなぁ。