節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

聖域の破壊者!砕涛華虎の「悪事」を考えよう(「忍者と極道」)

忍者と極道、「漢契大海嘯(ブロマンス・タイダルボア)」がクライマックスだ。

 

怪獣医……繰田孔富姐さんにも、また悲しい過去があったのだ……いや、「被害」がクソデカ過ぎるので同情や憐憫はしないというか、した上だとしても帳消しにはとてもできないけども。

 

そう、被害。被害の話をしよう。

 

繰田孔富姐さんは何をやらかしたか。「水道の薬物汚染」である。孔富姐さん率いる「救済なき医師団」の手によって、東京中の水道は「麻薬水」に変化。薬物中毒者は暴れ出し、あともう普通に暴れ出す体力もなく「中毒」を起こした人がその辺でぶっ倒れまくる地獄絵図が出来上がった。車の事故は起きまくり、飛行機までも落ちてきて、老若男女薬に溺れるばかりである。マジで何をしてくれてんだ。

 

当然忍者も例外ではなく、弱体(デバフ)った身体で医師団と戦う事になる。これは前章「幼狂死亡遊戯」で最強の暗殺者集団「割れた子供達(グラス・チルドレン)」と戦った後、万全の状態で「お医者さん集団」と戦い同程度に苦戦しては、少々パワーバランスがおかしくなる、適度なインフレは良いけども 「割れた子供達(グラス・チルドレン)」大した事ねえじゃんとかなるのは困るという事から必要が生じた処置だろうか。個人的には良いと思う。

 

巻き添えがデカすぎる事に目を瞑れば。都民ほぼ全員……二次被害三次被害まで含めればもう「国民全員」までいっちゃって良いと思います。クソデカですね。クソデカ忍法帖とはそういう意味だったか。

 

さて。 「怪獣医」繰田孔富がこれほどまでに大きな被害を出したのであれば。その次章……恐らくは「次」に来襲ると思うんですが……まぁいずれ出番を迎えるであろう、「忍殺番長」砕涛華虎は何をやらかしてくれるのか。今回はそれを考えたい。

 

砕涛華虎とは何者か

 

「破壊の八極道」……いわゆる本作の「敵幹部」の中で、間違いなく「単騎戦力最強」の漢。恐らくは忍者同様身体能力がカンストしているのか、「地獄への回数券」による身体能力増強が見られない。

 

その巨体、その身体能力、その技巧を武器として、極道族よりも生物的に上位に位置する忍者すら殺してきた「忍殺番長」。作中でも関西の忍者や呪血の忍者兄弟の父親が犠牲になっている。

 

……彼の被害に対しては、長、「極道が忍者を殺した」にカウントしてない節がある(壊爺の死を持って「70年ぶりに〜」とか言ってる)のよな……「知らない」ってことは無いはずなんですが。

 

一般的に「身内」に対してのみ強い信頼を示す極道族の中でもその在り方は若干浮いており、極道主催の格闘大会や、戦いに敗れ後は死ぬのみという同族の敗者であっても、彼の逆鱗に触れたのであれば容赦なくその鉄拳の制裁対象となる。

 

「ただ強者との戦いを望む」と書くとまるで武人然とした漢の様に思えるし、まぁそういう側面も無いわけじゃ無いとは思うんだけど、正確な表現を期すのであれば、「マジで手段を選ばずにただ強者との戦いを望む」であり、具体的には人質とか全然使う。「俺と戦わねえならお前の子供ぶっ殺すぞ」とか普通にやる。

 

戦闘能力としては少なくとも現在までに描写されたキャラクターの中で「火力」については右に出るものなし。巨大な爆発を引き起こす「照拳」の威力は、直撃れば忍者すら一撃で死にかねない。

 

耐久力も並外れている。 「氷帝雷公来駕」や素首への「暗刃」も、普通に耐える。「首を落とされてもなんとか耐える」ならまだ数例前例がある(冷静に考えればそれもどうかとは思うけど)が、そもそも「効かない」のだからどうしようもない。そりゃ効かないなら普通に動きますわ。動いてカウンター極めますわ。

 

それでいて「挑発」や「観察」などの補助的スキルも使いこなし、総じて「極道陣営単騎での最強」を冠するに相応しい人物だと言えるだろう。

 

……弱点というか、まぁ……敢えて欠点をあげるとするならば、「あんまり他人のいう事聞かない」ところだろうか。極道さんが真面目に止めれば一旦退避はするけれども、多分「つまみ喰い」は事後承諾だと思います。

 

あとは「陣営」としての人数は少なめかも?現状明らかになっている部下が推定足立のジョーさんだけなので……マンパワーは少ないかも知れないね。いや華虎さんさえいれば百人力というか兆人力だが、それでも「人数」が必要な場面というのはどうしてもあるんだ。

 

そんな華虎さんの「悪事」を考えてみましょう。デカいビル崩すとかだとちょっと麻薬水の後だと地味じゃないですか?

 

「聖域」の破壊者について

 

華虎さんの本作品での「役割」を考えてみよう。

 

「極道陣営単騎最強」であるのは間違いないが、もう一つ彼に役割があるとすれば、それは「聖域」の破壊者、という役割ではなかろうか。

 

「聖域」。「これは安全だろう」という暗黙の了解を得たモノ。

 

この漫画、「忍者と極道」における聖域といえば……それは「散り際のキャラクター」だろう。

 

本作の、特に極道陣営のキャラクターの散り際は実に見事なモノである。それぞれの過去がエピソードとして紹介され……ある者は救いを、ある者は答えを得て……そして助かる事はなく散っていく。

 

そうした散り際に対し、敵対する忍者たちは、ある種の敬意を示していく。まぁ、容赦はしないんだけど。それは全然しないんだけど。それはそれ、これはこれ。炭治郎の鬼に対するスタンスに似てますね。

 

大丈夫大丈夫、「半天狗枠」というか、生粋のカスの比率は現状かなり低いから。「偉大(グレート)」くらいかな?あと多分相方の「色男(カサノバ)」もか。あいつらはあいつらで特異点よな。

 

そんな風に散る彼らに対し、忍者たちが「いやお前らはただのカスやぞ」と追い討ちをかけるような事は現状、無い。当然といえば当然だ。勝負自体はすでに済んでいる。首とか飛んでいる。最近はそれでもあんまり油断出来ないが、基本的には喋るしかできない。なして喋れるんでしょうね。

 

忍者はそんな風に終わった彼らに追い討ちをかけるような事はしない。しないのだけども。

 

華虎さんはやるのである。

 

「浸るな!!! 敗北者は疾っ疾と死ねい!!」

(忍者と極道 106話『月光花』)

 

……「救済なき医師団」の艶道さんが犠牲になりました。まぁ……回想自体は出来たんだけれども……読者視点で完全に「なんかこのあと良い感じに死ぬんやろな」と油断したところを狙う奇襲であった。

 

コレを重く捉えるならば、華虎さんは「聖域の破壊者」……作品に慣れ親しんだ読者が「この後はこういう流れになるだろう」「流石にこれはやらないだろう」と予想する、その無意識の安全地帯を破壊するモノである、と考える。

 

描写的にはあり得ない「壊爺以前の忍者殺し」を成し遂げているのも、もしかしたら「時系列的な聖域」を破壊しているということかも知れない。

 

そこまで来るとメタフィクション能力ですけどね。やっても良いとも思うけど。……でもそれはもっとアイツっぽさがあるよね。

 

そんな砕涛華虎の成し遂げる「悪事」である。

 

それは読者にとって、仮に予想したとしても、「いやいや、流石にそれは」と予想を取り下げてしまうモノが相応しいのではなかろうか。

 

その「裏」モチーフは?

 

忍者と極道のキャラクターたちは、なぜだか作中作「プリンセスシリーズ」と因縁深い。

 

極道陣営の登場順や、忍者陣営の退場順は、多くは4代目・フラッシュ⭐︎プリンセス!のそれに対応し、シリーズを通した善悪の対立構造は、そのまま忍者と極道に置き換える事ができる。

 

「これ少なくとも極道陣営の暴れる順に関してはマジで極道さんの趣味でコレ由来じゃねえか?」とか言ってはいけない

 

……それならまだ良いんだけど、むしろ「無意識」でやってる場合が怖いっすね。それはつまり、アイツの影響下にあるのでは……という事なので。

 

そんな中で華虎は、おそらく「ダイマキシン」なる敵幹部に対応する、というのは単行本おまけページからの情報だ。だがここではそれ以外、「フラプリシリーズ」以外のモチーフがあるのでは、という仮説を元に考えたい。

 

例えば、「ドクイーン」に対応する繰田孔富に。「ネビュラマン(に登場する怪獣)」がもう一つのモチーフにあったように。

 

もう一つのモチーフが何かを考える前に、無粋ではあるが示しておかねばならぬ前提がある。

……んまぁ、本当に無粋なんですが。「プリンセスシリーズ」の元ネタは「プリキュアシリーズ」であり、「ネビュラマン」の元ネタは「ウルトラマン」であろうという事だ。

 

これから俺は未登場の作中作について考える上で、「それには実在作品の元ネタがある」という事を前提にしなければならない。そうしねえととっかかりが掴めねえからな。

 

つまりは「砕涛華虎に実在作品のモチーフがあるとすればそれは何か」という話である。そんなものが、もしもあるとするならば。

 

  • 忍者からしても圧倒的な「強さ」
  • 終戦直後の「広島」で初めて確認された
  • 照拳は「キノコ雲」を伴う大爆発を引き起こす

 

…………連想されるは、「原爆」であるが。

 

敢えて「フィクションの作品」を挙げるのならば、その代表例は「ゴジラ」だろう。経緯は作品によれど、原爆・水爆を始めとした「核」に対するメッセージとして産まれた怪獣王。

 

ウルトラマンの後に来てもなんら遜色ない、誰もが認めるビッグネームだ。

 

エリマキ付けてる奴の話はしてないです。

 

ゴジラ」がモチーフであるならば、そのあとに続くは「どのゴジラだ」という疑問であるが……これは物語の中で明らかになるだろう。

 

で、結局何をやらかすの?

 

ここまでの話を踏まえた上で、「砕涛華虎はその出番において何をやらかすのか」という点を考えたい。

 

まぁ単純だ。「ゴジラ」ですら「流石にそれは」となる事を考えてみれば良い。

 

加えてややメタ的な視点にはなるが、怪獣医が被害の「量」で突出した以上、「量」でこれ以上を狙うと更なるインフレとなりかねない。別ベクトル……例えば「質」で勝負するのはどうだろうか。

 

そう、例えば。

 

例えば……つってもゴジラなんて歩くだけで被害が出るような奴が「しない事」……被害を与えないように「避ける場所」なんて……。

 

……あっ……。

 

………………いや、流石にあの場所はやらないはず……いや、そういう前提がある場所が一番マズいという話はしたけれども……いやでも、流石に……。……「やる」「やらない」は別として……んー……この記事として……。

 

……一体何をするんでしょうね!

わかりませんでした!

砕涛華虎の出番を楽しみに待ちましょう!

お前マジで自重せえよ。

 

 

まぁあのこれは今までの前提を完全に無視した俺の勘以上の何物でもない予想なんですけど、まぁなんだろうな、ここに書いてもなっていう感じではあるんですが、千代田区にお住みの方はちょっと避難の準備をしておいた方が良いかも知れません。

 

 

避難先はどこが良いでしょうかね。俺の私見以外の何物でもありませんけどね、 京都とか良いんじゃないですかね。そっちに実家的なモノがある人はね。観光ついでというか。うん。

 

 

 

……まぁ俺は見てないけどマイナス1.0では被害に遭っているらしいし、あと割と昔の作品でも「直接壊すシーンはないけどめちゃくちゃ近くで大暴れはしている」「歩くだけで放射能バラマく奴がめちゃくちゃ近くまで行ってるんだからまぁ『被害が無い』まで言うと嘘では」らしいので、言うほど「あの場所」はゴジラにとっての聖域ではないと言う説もありますが。

和風レトロなオカルト混じりのスチパン世界「クラユカバ」/「クラメルカガリ」

個人視聴順

ウシガエル」→「クラメルカガリ」→「クラユカバ」→「端ノ向フ」

 

 

 

「クラメルカガリ

 

零細採掘業者がひしめく炭砿町…通称“箱庭”。日々迷宮の如く変化するこの町で地図屋を営む少女ーカガリ。“箱庭”からの脱却を夢想する幼馴染ーユウヤ。 昨今この町で頻発する不審な”陥没事故”は、次第にふたりの日常を侵食し始めて・・・果たして、町の命運は、カガリはこの事態を乗り越えられるのか!?困難の先で、少女は今日"ちょっとだけ"大人になるー

(filmarksより引用)

 

(視聴前)

 

「地図を書く事を生業にする少女……んー、若干の夕海ちゃん感が……まぁ別作品(別世界観・別監督)だしあんまり成田作品を引き合いに出してああだこうだ言うのも行儀が悪いか……」

 

(視聴中)

 

(カガリちゃんが夕海というよりは……ユウヤくんがネジロ……!)

 

視聴後に原作小説(上映特典)受け取って読んでみたらカガリちゃんも「思ったより夕海ちゃんだな」と思いましたが。

 

あんまり行儀良くないのはわかっていますけれども……。……まぁでもそれ言ったら伊勢屋とか栄和島とか出すのがそもそも、という話になりかねないし……「もちろん別キャラだけど似てるよね」程度なら、お目溢しいただけるであろう。多分きっとmaybe恐らく。

 

クラユカバ他監督の作品に共通する「世界観」についてはクラユカバの方で詳しくやりましょう。一言で言えば「大変にツボ」でした。いつも通りキャラ別にやるか。

 

カガリ

勝手な増築を繰り返し、勝手な増築故の崩落もまた繰り返される箱庭において、ただその地図を更新し続ける少女。上で夕海ちゃん(霧野夕海・越佐大橋シリーズ 「廃島」の地図を作り続ける少女)の話が出ましたが、「現役で人が住み続けている街である」、「人口自体は割と多く、恐らく世界観全体で見てもどちらかと言えば賑わっている部類の街である」、「今なお地下の掘削が続いている」などなど考えると……もしかして夕海ちゃんの地図より需要や更新頻度は高いのか?

 

「ひと月保つか怪しい渡し板」とかも書き込んでたから、「納品直後に買っても違う部分が存在する」とかありそうで怖いぜ。

 

  • 細かい部分が違う分には日常茶飯事なのでクレームとかはそんなにつかない
  • 「崩れやすそう」等注意書き付きで書き込んでいる
  • 長年の生活の勘で「アレはそこそこ保つ」と判断して書いている
  • 使用頻度・利便性など考慮し「今は崩れやすそうだけれども、場所的にはなかなか良いので数回の補修・補強を経て『道』となるだろう」等見越して記入している

 

……色々考えられますね。最後とかも全然あり得る。地図屋としての経験、町の地理における認識能力、そして愛着……これらは誰にも負けはしない。とっさの道案内であんなにも詳しく周囲を書けるんだから大したもんだ。俺にはとても出来ない。

 

そんな「誰にも負けない特技」はありますが、基本的には優しく素直な良い子です。良い意味で力が抜けているというか、どことなくゆったりとした話し方が印象に残りました。見終わった後で思うに、この若さで既に「自分が人生ですべきことはこれである」という軸をハッキリと得ていたから、変な気負いというか、これから頑張ってそれを探すんだ的な熱意が外に出ていなかったのかな、と……その辺りもユウヤくんとは対照的な。

 

そしてそれはもちろん熱を持たない事を意味しない……内に秘めるは確かな目標、または熱意。どこまでも地道にコツコツと、彼女は今日も街を書き続けるのでしょう。

 

お母さんだったり顔のキズだったり深堀りできる余地はまだ残されているので、今後も監督の作品に出番がありそうだと思ったり。箱庭に来る人、迷う人、去る人がいるのなら、そこには彼女の作品がきっとある。

 

ユウヤ

 

 

 

仮面ライダー鎧武、実はちゃんと見たこと無いんですけれども、虚淵さんが「仮面ライダー」という子供をメイン視聴者にした作品で悪役に吐かせる台詞として、これはすごくいいなぁと思っています。

 

そんなわけで敢えてこの作品の「黒幕」が誰なのかという話をするならば彼、という枠に入ってしまったユウヤ君。まぁ「黒幕」にはあくまでもされてしまったというか、脅されて協力していくうちになし崩し的に……みたいな流れだったとは思いますが。小説版では一応その辺りもフォローされてはいたし。

 

勿論本人にも悪気というか、過失はあったので「完全な巻き込まれ」ともまた少し違うし……町の被害がある程度大きくなった原因である事は間違いないので、ある程度の罰は受けるべきでありましょうが。

 

個人的には「戻ってきてから」が真に大変なような気もする。栄和島さんの好感度とかも決して高くは無いだろうし、伊勢屋も多少はネチるだろうから……その辺り含めて「今後の話」が作りやすそうなのはカガリちゃん共々良い事か。本家2人から嫌われるよりは全然マシだし。

 

上でも書いた通りかなりネジロくん係数が高くてね……「閉鎖空間からの脱却を望む」その性質だったり、その為に割と手段を選ばなかったりする事に由来しているのかなと思う。「最悪の状況」については割と予想が付いてしまった部分はあるか。

 

……告白失敗→取引失敗→「ムシヨケ」偽物だと判明、の流れに「筆の乗り」を感じ、落下するかしないかの流れなどはかなり危機感を持って見る事が出来ましたが。死にはしないと思うけど、「以降の巻でも引きずるレベルの怪我」は、割と……。

 

声優さんはアニメ版DMDPのポルカ君(ポルカ君では無い)。けれどもパンフレットで見るまで気付きませんでした。色んな意味で背伸びした感がポルカ君と違う味を出していた、のだろうか。ポルカ君は背伸びとかそういう段階の話ではなかったからね。「まず周りの平均身長を調べてみよう」の段階からはじまった人である。百矢に会うのがちょっと早かったかもしれない。奴は平均身長の認識をバグらせる。

 

「外に出る」という所で止まらず、「外に出てこれをやる」という所まで考えて、そのついでに「この取引本当にうまくいくんか」とか考えることが出来れば、違うルートもあったかもしれませんね。

 

あとは嘘喰いを読もう。取引の机上に立つには相手と同程度の「暴」が必要になるのだよ。少なくとも敵が「暴」をチラつかせて来た際の抑止力は用意しておくべきだったな。

 

小説版のカガリちゃんの名前を回収するくだり良かったよ。

 

口縄爺

 

カニックおじいちゃん。

 

本作……クラユカバも含めてか、なんならこの監督の同世界観の作品のメカデザインがかなり好きなので、俺からの好感度がかなり高い。

 

シャープな流線形のデザインだったり、あるいは人間工学?的なデザイン論に基づく機能重視なデザインも好きではあるんですが、こう……「直角と直線、たまに円柱」からなる無骨な……敢えて言えば「玩具感」のあるデザインからしか取れない栄養素もあるのです。

 

お爺ちゃんからしてみれば兵器とか義手のデザインに玩具感を求められても困るだろうけどな。いや、「ウシガエル」については鼠取り機だが。鼠取り機だって言ってんだろ。

 

「カマドウマ」とかなぁ……欲しいよな……何に使うかはさっぱりわからんが。普段使いには軽自動車の方が絶対便利ではあるが……だがしかし多脚メカには浪漫がある。

 

そんな口縄さんの過去のやらかしについては……これは「ウシガエル」の項で書こう。

 

孫娘のササラちゃんも可愛くて良かったです。オブジェ起動シーケンス、大役であった。

 

でも「鍵としての機能に重きを置きすぎていないか、義手としての利便性が犠牲になってはいないか」という点に関しては一度頃合いを見て話し合っておいたほうが良いかもしれない。

 

まぁ本人が不便でねえなら別にええとも思うけれども……。

 

伊勢屋・栄和

 

どこかで見た事があるような二人組。外部出演というよりは、スターシステムが近いだろうか?「同じ顔の別人」であり、それ以外の何者でもない。

 

アルトリア・キャスターと本家アルトリア……にはわずかながらに土地柄の縁があるからそれよりも遠いか。沖田総司と本家アルトリアの関係です。マジで全然何の関係もない、「似てるだけ」の人。慣れてる人が見たら「いうほど似てるか?」となるかもしれない人。まぁ似てはいるよ。

 

言ってしまえばデュラの2人……とは何の関係もないんですけれども、敢えて関連づけるのであれば、あの2人がこのレベルでなんというか「前向きな関係」になる様に世界線のリセマラを繰り返すと、「池袋」……というか日本・世界全体が諸々のバタフライエフェクトの影響を受けて、世界観自体が「こう」なってしまう、というのも一つの見方ではあるだろう。犯人は狩沢さんだと思います。

 

とは言えそんな事を気にせずとも、2人とも単独で「良いキャラ」だったとは思います。

 

伊勢屋さんの「危ない事すんなよ。まぁ止める権利はないけどすんなよ。あそこに行くのは危ないからな。まぁ止める権利はないけど行くなよ」な距離感とか、栄和島さんの頼れる兄ちゃん的な空気とか良かったです。

 

伊勢屋は臨也よりやや優しく、栄和島は静雄にやや社交性を足した感じ……その分「煽動能力」と「戦闘力」がそれぞれ少しずつ減った感じ。多分そんな感じ。

 

臨也は「行け」という意味を込めて「行くなよ」と繰り返し、静雄はアブラムシを普通にひっくり返しにいく。「実弾」は毒属性武器である。死にはしない。

 

他にもシイナさんや飴屋さんなど、いろんなキャラが魅力的でした。飴屋さんのあれこれで気が付いたんだけれども、俺はどうやら犬張り子がデザインとして割と好きなようです。そういえば戌亥とこさんとかも好きだった。シイナさんと伊勢屋の過去とか気になりますね。なんだろうね。臨也と写楽美影みたいな過去じゃないかと思っている。

 

わからないんですね? そうですね。

 

……いや、「しっかり描くとめちゃくちゃ暗く、重い感じの話になる」空気はなんかするよね。

 

 

 

「クラユカバ」

 

「はい、大辻探偵社」紫煙に霞むは淡き夢、街場に煙くは妖しき噂…。今、世間を惑わす”集団失踪”の怪奇に、探偵・荘太郎が対峙する!目撃者なし、意図も不明。その足取りに必ず現る"不気味な轍"の正体とは…。手がかりを求め、探偵は街の地下領域"クラガリ"へと潜り込む。そこに驀進する黒鐵の装甲列車と、その指揮官タンネとの邂逅が、探偵の運命を大きく揺れ動かすのであった…!!

(filmarksより引用)

 

世界観

今回視聴した作品に共通する「世界観」について。

 

なんぞ細かい部分はファンの考察とか覗いて見たので俺の記事がオフィシャルなものだとは思わんでくださいね。

 

かなり昔に石油が枯渇して、代わりに石炭・亜炭が豊富に見つかりそれが主なエネルギー源となり……そんな具合にスチパン風味の世界となった日本ならぬ「大帝都」が舞台の作品群。

 

採掘の果てに得体の知れぬ地下世界、「クラガリ」が出来上がり、おまけに闇の果てからなんか変なのも湧き出る始末。そんな世界でわぁきゃぁする人たちの話です。

 

ただ敢えて世界観全体ではなく、「クラユカバ」という作品について、難点というか、「そこも俺は好きだったけれども、嫌がる人も居そうな場面」を言うのであれば、1から10まで全て開示するような作風ではない、という点だろうか。

 

それだけなら他の名作もあり、「そういう作品もあり、そういう需要も確かにある」で話としては終わることが出来るのだけれども、そうした作品群と比べても、作中でしっかり回収する割合としては、結構「低い」部類に入ると感じた。

 

例えば今回、「クラユカバ」に関していうのであれば、事件自体は一応解決する。集団失踪事件で失踪した、多くの人は帰って来る。謎の轍についても、まぁ、一応は「これを使った痕なんだろね」的な装置は出てくる。出てくる、が。

 

しかし「帰ってきた人たちなんか様子おかしかったけど大丈夫なのかアレは」であるとか、「結局犯行グループとしては取り逃がしましたよね?」であるとか、「あんな装置犯行現場の路地裏で展開出来なくないですか」であるとかの疑問は残る。タンネ(彼女については後述しよう……『彼女』なのはとりあえず良いのか?)の正体は結局パンフなど購入しても明確にこうだとは示されず、あと……これはマジメに怒る人が居るかもしれないところなんだけど、今回物語にいかにも深く絡んできますよというキーワードであった「クラガリ」についても、実はその詳細は謎である。

 

というか今回、クラガリには実は潜っていない。「地上の人間から見れば十分にクラガリ」ではあるのだけれども、タンネさんに言わせればその箇所は「クラベリ」と言われるそうで、なんというか「深層(アビス)に至る物語!」だと思って「メイドインアビス」を見たら、オーゼンさんの手前辺りで「帰ろう」となったような肩透かし感は確かに少し感じた。

 

個人的にはそれもクラガリの得体のしれない感じをつけさせ、それこそメイドインアビスの絶界行(ラストダイブ)じゃないけれど、「簡単は行けないし、行くべきではないし、もし行くのであれば戻れない可能性が十二分に高い場所」というイメージを付けさせて良いじゃないか、とは思うので、俺の評価方法では、どちらかと言えば加点要素なのですが。

 

一応予告などでもタンネさんが「クラガリはもっとヤバい(=このくらいじゃクラガリとは言えない)」的な事を言ってはいるし。

 

……まぁ、同時にあのセリフがフラグっぽさというか、そこから「じゃあもっとヤバいクラガリを見てみましょう!」の前振りだと思うのが「普通」じゃないかよ、みたいなことを言われたら「そうかもね」とはなってしまいます。一応ヤバさの質が別ベクトルの相手の前振りみたいな事にはなっているんだけれども、「アレ」もクラガリで通用するのか……若干微妙の感がある。

 

ともかくそうした「全部見たとしても不明な点」が結構多く、またその不明点についても「考察すればわかるよ」みたいなレベルではなく、本当に現状では「不明です」で終わってしまうような点である、というのは……先に知っておいても良かったかもしれない。「端ノ向フ」とか先に見ておけば良かったかな。いやぁでも、アレは後で書くけど、後で見た場合は後で見た場合で楽しみ方があるので……。

 

荘太郎

うだつの上がらぬ探偵。なじみの情報屋(子供)に、迂闊にもクラガリの情報収集を依頼したところ、なんとその子も行方不明に。……その際の落ち込み具合がまぁ印象的でした。悪い人ではねえんだ。

 

事件を追ううちに、かつて行方不明になってしまった父につながるヒントなど得ながらも……恐らく、余程の事がない限りは、もうクラガリに自分から潜り込むようなこともないのではないかというのが、俺の見立てでありますが。なんだろうね、こう、「日常」の空気が強くある。少なくとも、事件も何も依頼を受けていない時に隙を見つけて父を探し……みたいな話にはならないんじゃないだろうか、と思う。

 

……酷な話にはなるが、恐らくもういなくなってからの方が長いからなぁ。子供なら「母を探して」的なメイドインアビス展開もあっただろうが、もはやいい大人である。……なんか今回の記事メイドインアビス成分がちょっと高いな。狙ったわけではないんですけどね。

 

そういう過去の事件とは、「そういう事もたしかにあった」、で終わっている感がある。それが良いとも悪いとも言う気はないけれど……それが「終わっている」事を示したのが、あの活動大写真破壊だったと思っている。これからも基本的には地上の人々を助けて回るのだろう。そんな「日常」の空気が良く似合う。

 

基本的には。

 

……それはそれとして、「報酬がめちゃくちゃ良い」であるとか、「依頼人がめちゃくちゃ困っている」だとかした場合には、まぁなんだかんだと嫌がりつつ、身の安全を優先しつつ、クラガリに潜っていくのではないか、とも思う。「お人よし」属性もかなり強そうなので、仕方がない。

 

タンネさんとの掛け合いとかも良かったですし、縁はなかなか切れるものでもなさそうだ。

 

タンネ

 

彼女は「何」だったんだろうか。一応「こういう人です」「こういう特殊技能があります」「今はこれをやっています」という情報は提示されるけれども、それぞれをつなぐ情報がやや抜けている。

 

パンフレットを見るに、半ば意図してのことのようであり、個人的にはその不明瞭な部分が作品の妖しさによく似合っていて、私は良いと思う。

 

正体が判然しないとはいうものの、手掛かりのようなモノはある……というか、「昔見世物だった」はひとまず確定として良いところか。そこから何がどうなってか、現状は装甲列車の車長さんである。

 

ダウナーな雰囲気でそのくせ割と煽り口調なところがツボにハマりましたとさ。予告編の時点では無表情キャラかと思いきや、案外表情豊かだったり、そのくせダウナーな雰囲気なのは間違いなかったり。

 

作中恐らく最も「クラガリ」に近い人物として、そのミステリアスさ加減が良い味を出していました。もし続編や他作品への出演があるのなら、そこでもまた違った顔を見せていただけると幸いです。

 

電車関連の人だとトメオミさんも良いですね。その風貌でバリバリの戦闘職なのか……。

 

 

 

前日譚としてのウシガエル

「なるほど、鼠(とワンちゃん)と鼠取り戦車の追いかけっこ……『トムとジェリー』をレトロスチパン日本風世界でやってみよう、という試みだろうか?」

 

 

「……結構エゲツない被害が出ていたらしいな……」

 

……いや道中で結構な爆発とか火事とかが起こっているのはなんとなく見えてたんだけど、こう……追いかけっこのキッカケというか、始まり方がすごく軽いノリで始まったので、その軽いノリのまま爆発や火事が発生し、こう……アフロになる感じのやつで終わったのかな、と思ってしまっていた。

 

……最後はなんかいい感じに収拾がついたように見えていたんだけれども、どうも道中では普通に爆発や火事が起こっていたようだ。ササラちゃんは負傷して、命を落とした人もいるかもしれない。

 

「軽いギャグみたいなノリで始まって、気がついたときには大惨事」というのは個人的にツボである。現実では……これは大変困った事になってしまうのだけれども、架空の物語の中でなら、安心して楽しめる。

 

業務用ウシガエルヤマタノオロチが格好良くて良い。

 

どう考えても、「業務用にしてもネズミ駆除機にこのサイズは持てあますだろ」という感想が出てきてしまうけれど。……あの、もしかしてコレ、兵器の試作品か何かを流用して……

 

……ウシガエル、またその派生品はネズミ駆除器である。

欺瞞は一切ない。断じてない。

 

俺の視聴順だとこう明るくホンワカした物語なんだろうなぁ、という印象から口縄爺さんの回想に至った際の破壊力・ギャップが大きく感じる事が出来ました。クラメルカガリの前に見る……方が良いかな。後だとどうしても「ササラちゃんの怪我は確定だよな……」みたいなのがチラついてしまうので。

 

 

 

後日譚としての端ノ向フ

 

クラユカバ本編鑑賞後に視聴。今回見た中では一番「おどろおどろしい」というか……タンネさんのいう所の「妖妖しい」がしっくりくる作品でした。多分一番「クラガリ」に近い作品……なのだろうか。なんなんでしょうね、あの活弁師。要注意人物……あるいは奴自身がオブジェクト……。多分メタフィクション系の現実改変能力。物語階層構造とか概要に出てくる奴。内容はほぼ研究員の私的なメモ書き。

 

今回「クラユカバ」鑑賞後に見た影響もあってか、特に「後日談」的な見方をしてしまいましたが、その見方だとまぁ本当になんと言うかバッドエンドルート。

 

恐らく荘太郎の情報収集パートで判定を何回か失敗すると、あの子も恐らくは危なかったであろう。「子供だからセーフ」とかはあんまりない感じ。むしろ子供の方が危なそう。

 

民俗学的(?)な知見のある人とかが見るとまた違った発見があるみたいです。

 

「クラユカバ」前に見ておけば「このくらいのジットリさ加減で終わる事は全然ある世界観だよ」という心構えは出来たかも知れない(ジットリさ加減、と言う表現もあまり良くないのだが適切な表現がすぐに出てこない。「ハッキリしなさ」「解決しなさ」……?)のだけれども、しかしその場合クラガリ、あるいはそれに類する場所が「怖くなり過ぎる」んじゃないかという気もするし、何より俺は後に見たのでこの話はここで終わりなんだ。

 

私見だけれどもクラガリを怖がり過ぎる、怖いだけの場所だと思うのも、これはこれでかなり勿体無い事だとは思うので。伊勢屋さんも小説で言ってましたが、それが救いになる人も、まぁ居るには居る……いやかなり碌でもない場所ではあろうが……。

 

……クラガリは概ね「インターネット」概念に置き換えることが出来る……?

 

インターネットに深く関わった人ほど「インターネットに惹かれるな」って言うからな。俺もディープウェブとかそういう方はやめといた方が良いと思う。クラベリで暮らそう。充分に危ないから気をつけよう。

 

やめられるならやめるに越したこたねえかなとはうっすら思う。

 

 

 

いずれの作品も和風レトロなオカルト混じりのスチパン世界が好きな人は見て損のない作品群だと思いました。監督の今後の作品群も、楽しみです。

 

週遅れ二次元録・10「コロンブス・カロン(FGO 2024バレンタイン)」

バレンタインイベントの「特攻鯖」にレジライが入っていた。これによりレジライ村が若干盛り上がる。「あそこはいつも盛り上がっているだろう」と言われれば、それは全くその通り。

 

まぁ特攻鯖入りはシナリオでの活躍を確約するものでは無いのですが、今回はきちんとレジライが登場しました。やったね。

 

終盤で「中身」が冥界への渡し舟守、カロンだと判明しました。びっくりだね。

 

一応レジライ本人も同居みたいな状態にはあったらしいが。

 

「ガワだけ実装鯖の中身別人」パターン、そう言えば最近はあんまり見ませんでしたか。前は各イベントに1人は居た……様な気がする。結構「攻めた」人選が多く、話題になることも多かった……様な気がする。

 

パッと思いつくのはバニヤン実装の際の「アルテラ(女神コロンビア)」だろうか。「文明開拓」の象徴である女神コロンビアを、「文明の終わり」象徴であるアルテラ(厳密に言えば、象徴はその『本体』だが)に宛てがう……そういう「攻め方」だ。

 

真面目に問題になる攻め方じゃないか?という気もしてきたな。

 

このイベントにコロンブスが登場しなかったのがせめてもの「理性」というものよ。

 

でも女神コロンビアの名前の由来ってコロンブスだから理性が足りてるか足りてないかで言えば割と怪しいぞ。

 

女神コロンビアが印象に残った理由の大きな一つは特殊スキル「最大多数の最大幸福」だろう。「自身の体力を全回復+敵サーヴァント(つまりはこちらにとっての『味方』)の体力を1にする+2ターンスタン(デメリット)」である。なかなかのインパクトがあった。

 

いきなり使われてビビったのを覚えている。どうしたんだっけ。倒せたは倒せたんだよな。令呪は持っていかれたかもしれない。

 

あと女神コロンビアはアレよ。映画の最初に出てくる松明を持った女神様、アレ、コロンビア。コロンビア社のロゴなんですが、洋画のメーカーとかあんまり意識しないから、俺の中では「洋画を見る際に一定確率で登場する女神」という扱いだった。そんな彼女に「名」が与えられた。印象に残る。

 

ちなみに「ゾンビランド ダブルタップ」という映画において、冒頭の段階でこのコロンビア像がゾンビに襲撃されるも、松明でぶん殴られて返り討ちとなる演出が為されるそうだ。ゾンビランド、興味があったので今度見てみようかなと思う。

 

いい加減にコロンブスカロンの話をしろ。

アルテラ・コロンビアの話ばかりじゃないか。

 

そうは言ってもなぁ。普段からレジライが登場しない話に無理やり登場させて面白がっていた人たちが「レジライが登場すると思ったら言うほどしてなかった話」にぶち当たってちょっと混乱した、と言うだけの話だしなぁ。

 

悲しむ人を見たけれど、喜んでる人も見たので、良いも悪いも俺には判断しかねるね。

 

レジライの出番自体は少ないながらに終盤あったし、良いイベントだったと思いますよ。アイツの「敬虔さ」についてはよく描写されていたし。

 

実装鯖の話も少ししよう。アンドロメダさんの圧倒的な「陽」のオーラはなかなか健康的で良いですね。いや、別に変な意味ではなくって。

 

……なんか旦那さんがProtoでえらい事になってしまっているらしいのでこれくらいの「光属性」が多分適量なんだと思います。

 

光で照らせ。影は濃くなるが、どうせ消える事はないのだから。せいぜいお二人で支え合って進むが良い。

 

夜明け前が一番暗いのさ。

週遅れ二次元録・9「尾形・二階堂(ゴールデンカムイ)」

ゴールデンカムイの映画を見ました。

 

実写化発表当初は不安もありましたが、蓋を開けてみればなかなかの評判。俺も良かったと思います。

 

アクション面に関しては文句なし、「キャラクターの所属陣営に関係なく攻撃し、重要なアイテムを永久ロストさせる危険性も秘める」ゴールデンカムイの名物モンスター、「羆」はとても恐ろしく、あの局面で杉本の過去をあそこまで解像度高く描写出来るのは完結後に動き出した(撮影は連載中だったりするかな?終盤ではあっただろうが)プロジェクトだからこそというところでしょう。

 

しかし改めて見ると杉本以外も大概不死身だな。

 

尾形とか「その後の活躍」を知っている俺でも「まぁあの傷でこの寒さの中放っておけば死ぬよな普通」と思ってしまいましたし。死なねえのですが。死んだら困る…………犠牲者は減るか?……いやでも「尾形が居なければ詰んでいた場面」は確かにある……だが「尾形のせいで詰みそうだった局面」もそれなりに……「全く別の物語」になってしまうのは確かだ。

 

実写化の改変として尺を調整するための手段としてなくはないかもしれないが、尾形のキャラ人気が高過ぎるのでダメです。あそこで終わったら本当に「序盤の雑魚」になってしまう。

 

……初戦の尾形、実はいうほど雑魚でも無いんですけどね。銃の部品を即座に抜いたりしてるし。「近接戦もそこそこ出来る狙撃手」としての活躍はそれなりにしていた。まぁ、これからそれが誤差になるレベルで色々な意味で活躍するのですけれども。

 

……色々な意味で活躍するのは間違いないが、各陣営にとっての活躍を「正のベクトル」「負のベクトル」で現した際に「どの陣営にとってもプラマイゼロ(場合によっては若干マイナス)」になる様な気がしてならんな、尾形。

 

好きですが。キャラクターの活躍は絶対値の合計で見るべきだよな。

 

刺青囚人陣営にとっては特大のマイナスでしか無いのは確かだろうが……杉本組・新撰組・第七師団にとっては……後で改めて読み返そうか。

 

そして劇場版で活躍が盛られた二階堂。あの局面で情報を握っている杉本をガチで殺しにかかる狂犬である。お前も大概不死身だな。

 

追いかけて殺しに行くくだりは「なるほど任務より優先されるべき兄弟愛……敵討ち……」となるかもしれないが、騙されてはいけない。そもそも殺される前から殺そうとしていて、夜中にこっそり殺しに行った結果がアレである。

 

まぁ仮にあそこで二階堂に殺されるような杉本を殺した程度では大した処罰は受けねえんじゃねえかなぁという気もする。3枚……内1枚は写しの取れていない実物……まぁ、軽傷。撃たれた人のは実物を回収出来ただろうか。酒に酔って喋りすぎちゃう人の箇所は大したものでは無かろう。

 

逆にあそこで追撃するからこそ、二階堂は高く評価されたんだろうし。原作でもやや間を開けて追撃自体はしていた。劇場版の続編でその辺はやると思う。

 

続編が楽しみだ。次はキロランケ・岩永・辺見ちゃんが登場かな?ちょっとペース配分が心配だ。

 

辺見ちゃん、序盤に出てきた割にキルスコアはトップクラスですからね。マンスールと同格で良いだろうか。

 

片や「序盤に出てきたオッさん」であり、片や「終盤に出てきたオッさん」だ。同格で良いだろう。

 

マンスールが可哀想だよ。

週遅れ二次元録・8「匿名希望(暗号学園)」

逝ったか暗号学園……。

 

今週「暗号学園のいろは」が完結しました。完結……まぁ、完結しました。完結した事には間違いありません。終わり方も……良かったと思います。

 

何が不満だ。……完全に終わった後も少しは動いていて欲しいんですよね。それは「惰性」ではなく「慣性」なので。そんな微運動に誌面を割く余裕はないというのは、勿論わかっていますけれども。紙面の摩擦係数は馬鹿にならん。

 

何度か「完結かと思ったか! 新章です!」を挟んできた漫画なので、今回も大丈夫かなぁと思ってしまいましたが、ダメでしたね。うんまぁ……真虫犇ちゃんの素顔が特に文脈なく明らかになった辺りで怪しい気はなんとなくしていたが。

 

というわけでかなり応援していただけに残念ではありますが、終わり方やそこに至るまでの流れはかなり好みだった暗号学園。詳しい感想は単行本完結後にまた書くとして、今日はとりあえず「このキャラを外しては語れない」……めだかボックスに於ける球磨川のポジションに居る奴、「匿名希望」をお題目に掲げさせて頂いた。

 

なんだかんだ連載を追っていて1番「やりやがった」が強かったのは、匿名希望のマダミス解体だったような気がするので。

 

正直あのタイミングのマダミス編はだいぶ正気ではないと今でも思っている。「知らない人が知らない人のガワを被っている」、「主人公が被っているガワでさえ『知っている人』とは割と言えない」という特殊な状況は、あの序盤でしか出来ない事ではあったのだろうけれども、あの序盤でやる事かよとは思う。

 

そこまでやるなら全キャラのキャラクターシートを見せてくれても良かったとも思う。全キャラは流石に考えてなかった……というのも0ではないんだろうけれども。

 

だからマダミス中はかなり「俺は面白いと思うけどこれ大丈夫なんか」となっていた。そうだそうだ、めだかボックスも大体「愚行権(デビルスタイル)」が登場した辺りでこんな感覚になっていた。懐かしいですね。

 

2012年!? 12年前!?

 

まぁ、そんなもんでしょうね。

 

そんな不安を掻き消してくれたのが、匿名希望の蛮行だった。システムメッセージで「これ匿名希望の個人的見解だからね」「真似はするなよ」「勿忘草和音は架空の人物です」されていたのも含めて良かった。今思えば不安が掻き消されたというか別種の不安で上塗りされただけのような気もしますが、まぁ似たようなもんだ。

 

……あの号、確かジャンプ自体の付録にマダミスが付いてきたんですよね……。事故か事件か。俺の私見だが、事件の可能性が高いと思う。事故だと言い訳できる余地を作った上での、事件だと思う。

 

あと真虫犇ちゃんの素顔がちょっとツボ過ぎるんですがどうすれば良いですか。素顔バレが最終話1話前だから畜生!

週遅れ二次元録・7「天堂弓彦(ジャンケットバンク)」

天堂弓彦が何を考えているかわからない。

 

ジャンケットバンクの登場人物が何を考えているかわからないのは、まぁいつもの事ではあるんだけれども、今回は観戦している弓彦の味方、主人公と実力者、あと皆大好き獅子神さんも皆で「「「何考えてんだアイツ……?」」」している点で異質である。

 

神の考えは人には読めませんね。

 

それでも敢えて愚考するならば……うーん、直近(読者視点)で神がやったゲーム、「ブルー・テンパランス」に「順調に勝ち過ぎるとヤバくなる仕掛け」がされていたので、今回のピーキー・ピッグ・パレスにも似たような危険を感じ取った……?

 

……酸素濃度の低下を見せ掛けにした……なんだろうな……。気圧の変化だと本当にブルー・テンパランスになっちゃうしな。

 

ただ闇の金持ちが見たいのが「苦しむ姿」だとすると、低酸素状態ってどうなんだ、と思わなくも無い。あれ「酸素が十分に含まれていない空気を吸い込むと苦しむ間もなく気を失う」とか、そういう奴じゃなかったっけ。俺もあんまり詳しくないのでシンプルに間違っているかもしれませんが。

 

……なんか毒ガスとか入れられてる?

……それはエンバンメイズでやりましたね。

 

ゲームのフレーバー的な話をするなら「狼が狼に攻撃した場合『何も起こらない』」のが若干気持ち悪い部分ではあるか。……でも説明で「何も起こらない」と明言している箇所に罠を仕掛けるかなという気もするね。……明言してたっけ?

 

少なくとも138話では「何も起こらない」と明言されている。……ただ135話の説明において、フレーバー的にはこの処理が「襲撃側のオオカミがビビって行動しない」と説明されているのが気にはなるか。同話の説明において「オオカミは可能なら必ず何を攻撃しなくてはいけない」とされているにも関わらず、オオカミが相手だとビビる……この時、本当に「行動しない」のか?

 

まぁ多分行動しないんだろうなと思います。

 

ジャンケットバンクのゲームのルールの裏を掻くのは俺は既に諦めている。

 

我が名は人間「『ザ・ショートホープ』で最初に脱落したオジさんと同じ勘違いをしていた読者」。説明をあんまり聞かず実のところ「まぁ30人も居たら1人はそういう人も居るだろ」の精神で悲観もそこまでしない恐るるまでもない人間。

 

そんな人間にも楽しく読めるので作者さんはすげぇなぁと思います。

 

この記事公開するころには「実際、何を考えているのか」が少しずつわかってくる頃だと思いますが、本当に一切何の説明もなくそのまま負け続けてぶっ倒れたとしたら、俺は爆笑します。

 

真面目なファンが「実はあの時天堂の狙いは……」と考察して、勝手に「結果だけを見れば失敗したが何という洞察力なんだ」と伏線に震える……そういう事があっても良い。神の言葉とは真意が誰もわからぬままに深読みされるものですからね。

 

まぁぶっ倒れると「相方の遅延行為」で村雨さんにも被害が行くので笑い事じゃねえんだけどな。

 

しかしそれでも爆笑します。

 

とりあえず今みんなが「解らん……」してるのはガチだし、村雨さんも今この状況では狙いがわからなくてマジで困っている……そういう状況であって欲しい。

 

アンタも相方にあんまり説明せずに「電撃を(高確率で)受け続けろ」したんだからさ。多少は困れ。

 

一番初めに真意に気づくのは誰かなー……ふむ、経営者さんだと嬉しいですが。弁護士さんと経営者さんのキャラ的には、経営者さんの方が好き。

 

……「豚が0になる」と酸素濃度は6%にまで低下(村雨さん曰く即死ライン)……遅延他反則行為のペナルティは「即時酸素濃度0%(人は酸素が無くなると死ぬ)」……豚切れで酸素を6%残す意味はあるのか……?

週遅れ二次元録・6「クラマ(カードゲームうさぎ)」

それは一部のゲーマーにのみ通用する褒め言葉だ。

 

基本的には悪口だし、正直に言えば褒め言葉として運用されるゲーマー達の間でも……本当に本気で褒め言葉として受け取る奴はさらにその中で一握り。大抵は多少改めようとしたり、いっそ開き直ったりする。

 

だが、その言葉を言われると嬉しくなるゲーマー、というのは確実に存在する。

 

【三日天下】クラマ。

彼は「性格が悪い」TCGプレイヤーだ。

多分開き直る側の、より悪い方の。

 

Web漫画、カードゲームうさぎがクラマ編に突入した。前々からボルケーノの常連の1人として登場していたが、とうとう彼の操るコントロールデッキ……【アルカトラズ】や既存キャラとの因縁などが明らかになってきた。

 

コントロールデッキ、ええよなぁ。

下手なりに握って相手を困らせたくなるぜ。

困らせるだけで終わってしまうのは俺の腕の問題だ。

ちゃんと仕留めたい気持ちはある。

 

原初の憧れは何だろうか。

アレだろうな。

ディアブロストコントロール】。

 

デュエル・マスターズにおける「双黒の知将ディアブロスト」を軸としたデッキである。ディアブロストはコストの割にパワーが高く、それを埋め合わせるように「相手全軍に『ブロッカー(こちらの攻撃を止める事が出来る)』を付与する」というデメリットがあり、コレだけを見ればお前のどこが知将なんやただパワーがデカくて止められやすいだけやないかとなるのですが。

 

しかしカードプールを見渡せばブロッカーの除去というのは「安い」。

 

俺がやっていた頃のカードに限定したとしても1マナで6000まで処理できる「火炎流星弾」、2マナでパワー制限なしの「クリティカル・ブレード」、立ち回り次第で複数回の使用も狙えなくはない「ピーカプのドライバー」……大型なら出せばブロッカー全体除去を打てる「クリムゾン・ワイバーン」なんてのもいたか。

 

コイツらを併用し敵の除去を容易にして盤面を捌いていく……それこそがディアブロストコントロールだ。

 

……偉そうに解説するが組んだ事は無いです。当時の俺にディアブロストのシングル買いはハードルが高く、あと組んだら「思ったより除去が引けねえ」、「相手のヤバい耐性持ってる奴ブロッカーにしちゃったどうしよう」となるのがある程度目に見えていた。

 

しかしその独特なコンセプトへの憧れはあったのだ……。そしてそのコンセプト……ひいては「多分クラマさんなら上手くディアブロストコントロール握れるんだろうなぁ」と言う思いがクラマさんへの憧れとして加算されているのだろう、と思う。

 

小学校時代からの憧れだ。

多少の贔屓目は許してほしい。

 

小学生がクラマさんに憧れるの!?

辞めときな!

 

でもこのあたり突き詰めていくと「カードゲームはやめておけ」とかになっちゃう危険性もあるからあんまりそういう事は言いたく無いですね。

 

適度な距離感でやれ。高額カードのシングル買いはまぁ……親御さんと相談してやれ。小遣いの範囲でやるなら。まぁ。学校には持っていくなよ。

 

1枚10円とか30円のストレージコーナーを3時間くらい漁る……なんかオモロいマイナーカードを見つけ、使って、「オモロいけどオモロいだけだな」となる……そういう経験からしか積めない「業」があるとは思います。

 

「業」、いるかぁ?

……いらないかな。