それは一部のゲーマーにのみ通用する褒め言葉だ。
基本的には悪口だし、正直に言えば褒め言葉として運用されるゲーマー達の間でも……本当に本気で褒め言葉として受け取る奴はさらにその中で一握り。大抵は多少改めようとしたり、いっそ開き直ったりする。
だが、その言葉を言われると嬉しくなるゲーマー、というのは確実に存在する。
【三日天下】クラマ。
彼は「性格が悪い」TCGプレイヤーだ。
多分開き直る側の、より悪い方の。
Web漫画、カードゲームうさぎがクラマ編に突入した。前々からボルケーノの常連の1人として登場していたが、とうとう彼の操るコントロールデッキ……【アルカトラズ】や既存キャラとの因縁などが明らかになってきた。
コントロールデッキ、ええよなぁ。
下手なりに握って相手を困らせたくなるぜ。
困らせるだけで終わってしまうのは俺の腕の問題だ。
ちゃんと仕留めたい気持ちはある。
原初の憧れは何だろうか。
アレだろうな。
デュエル・マスターズにおける「双黒の知将ディアブロスト」を軸としたデッキである。ディアブロストはコストの割にパワーが高く、それを埋め合わせるように「相手全軍に『ブロッカー(こちらの攻撃を止める事が出来る)』を付与する」というデメリットがあり、コレだけを見ればお前のどこが知将なんやただパワーがデカくて止められやすいだけやないかとなるのですが。
しかしカードプールを見渡せばブロッカーの除去というのは「安い」。
俺がやっていた頃のカードに限定したとしても1マナで6000まで処理できる「火炎流星弾」、2マナでパワー制限なしの「クリティカル・ブレード」、立ち回り次第で複数回の使用も狙えなくはない「ピーカプのドライバー」……大型なら出せばブロッカー全体除去を打てる「クリムゾン・ワイバーン」なんてのもいたか。
コイツらを併用し敵の除去を容易にして盤面を捌いていく……それこそがディアブロストコントロールだ。
……偉そうに解説するが組んだ事は無いです。当時の俺にディアブロストのシングル買いはハードルが高く、あと組んだら「思ったより除去が引けねえ」、「相手のヤバい耐性持ってる奴ブロッカーにしちゃったどうしよう」となるのがある程度目に見えていた。
しかしその独特なコンセプトへの憧れはあったのだ……。そしてそのコンセプト……ひいては「多分クラマさんなら上手くディアブロストコントロール握れるんだろうなぁ」と言う思いがクラマさんへの憧れとして加算されているのだろう、と思う。
小学校時代からの憧れだ。
多少の贔屓目は許してほしい。
小学生がクラマさんに憧れるの!?
辞めときな!
でもこのあたり突き詰めていくと「カードゲームはやめておけ」とかになっちゃう危険性もあるからあんまりそういう事は言いたく無いですね。
適度な距離感でやれ。高額カードのシングル買いはまぁ……親御さんと相談してやれ。小遣いの範囲でやるなら。まぁ。学校には持っていくなよ。
1枚10円とか30円のストレージコーナーを3時間くらい漁る……なんかオモロいマイナーカードを見つけ、使って、「オモロいけどオモロいだけだな」となる……そういう経験からしか積めない「業」があるとは思います。
「業」、いるかぁ?
……いらないかな。