節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

そこまで不幸ではない彼もまた「映画大好きポンポさん(劇場版)」

映画大好きポンポさん。

 

Pixivに上げられた漫画がエラい勢いでバズり倒したのがきっかけで漫画の単行本だの続編だのが生まれ、ついにこの度映画化だ。

 

私もPixivで読みましたよ。初バズの際に。故に、「アイツは売れると思ってた」みたいな古参面も出来なくは無いんですが、バズの規模が規模だけに、あの人数の中で1人古参面しても、滑稽なだけなんですよね。

 

「アイツは俺が見た時にはもうかなり売れていたけれど、もっと行けると思った」

 

くらいにしておきましょう。このブログで取り上げるものは、大体そんな感じ。他にも色々あるけれど、今回それはいいや。全部ポジティブですぜ。今のところは。多分コレからも。

 

まぁ、今から書くのはその「もっと行った先」なんですけれども。これ以上売れたらどこへ行ってしまうのか。

……実写化?

 

……ああ、でも……ワンチャン、あるな……原作のあの辺りのゴタゴタをリアルに描く形で……。……ひどく悪趣味なものにはなりそうだけれども……。アニメパートと実写パートが別々に存在したりしたら面白そうですね。

 

 

円盤販売したら差し替えます。

 

別に五大湖フルバーストの話するためだけに見に行ったわけでは無いですからね。しっかり書きますぜ。

 

 

zattomushi.hatenablog.com

 

 

以下ネタバレ注意!

 

 

 

【敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで制作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を観ることにも慣れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの政策を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MAISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった!ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波乱万丈の撮影が始まろうとしていた】

(映画公式サイト STORYより引用)

 

クオリティについて心配はしていなかった……と言えば、少し嘘になる。もちろん原作に素直に作れば、それなり以上に面白い作品には仕上がるだろうけれども、しかし、懸念はあった。

 

あまりネタバレを踏まないようにする中で、それでも見えてしまったポスターの「キャッチコピー」がコレである。

 

「幸福は想像の敵」

 

本編中にもある台詞だ。内容や受ける印象とも、さほど乖離はしていない。だからコレを見た時点では、特に何も思わなかった。ヒキとして良いじゃん、くらいは思った気もする。

 

……だが映画が始まってすぐの冒頭、「オリジナルキャラ」のアラン君がチラ見えした際には、このキャッチコピーを思い出し、少し「あー……?」となってしまった。

 

いや別にオリジナルキャラだのオリジナル展開だのは良いんですよ。必要な事だ。ただ……現れ方がよ……。

 

この「幸福は想像の敵」をポンポさんに「お前めっちゃ良いモン作れると思うわ〜!」みたいなノリで「言われる」側であるジーン君の学生時代……映画感想ノートを水溜りに落とし、1人で帰る学生時代……そこに友人いっぱい、恐らくは彼女と腕組んで現れたのが、オリジナルキャラのアラン君なわけです。敢えて安い言い方で対比構造の説明をすると、「非リア」のジーン君と「リア充」のアラン君ですね。

 

この対比構造とキャッチコピーで脳裏に浮かんだ懸念点は、「あー……?この先ひょっとして『非リアのジーン君を見下してたリア充アラン君がスカッとジャパンされちゃう流れ』かー……?」というものでした。

 

いや、ええねん。そういうザマァ系というか、スカッとジャパンみたいな……「ムカつくアイツを見返してやるぜ」みたいな動線で展開される話は古典からの定番だし、フォーマットがすっかり確立されてるし、名作も多々存在するので。そういう話が存在する、コレ自体は全然ええねん。

 

ただ、「そういう話ではない(ジーン君が不幸なのはともかくとして、少なくとも作中に『憎まれ役』は存在しなかった)原作」の劇場版が、「そういう話」にされちゃうのはなー……。どうなんだろうなー……。まぁ、結局出来次第なんですけれどもねー……。

 

そんな風に思いながら、物語は進んでいった。

 

ネタバレすると、全然、そんな事は無かったんですがね。杞憂でした。アラン君、めっちゃ良いやつでした。良かった良かった。

 

なんというか最近、「リア充って大変だよなー……」という意識が芽生えてきまして。あんまり敵視して酷い目に合わせたり、あるいはなんか、露骨に「悪く」させられてコイツ本当に友人に恵まれたリア充なんか?みたいなキャラだったりする作品には素直に乗れなくなってきている。

 

何故かね。俺自身がリア充になったからだ。……と言えればいいのですが、残念ながらんなこたぁない。断言&即答出来るのが悲しいところよ。コロナ禍ってのは「リア充」が「リア充」を維持し続けるだけでも大変な情勢ですのでね。そんな時に業界に「新規殴り込み」いけるやつは、よっぽどのアレかソレでしょう。

 

だから、「非リアの苦労」であるとか、人によっては「リア充の見下した視線」……それが皆無であるとは言わないけれど、でも「リア充の苦労」もあるし、残念ながら……喜ばしい事に?……どちらかしらんけれども、「リア充」と「非リア」は全然別種族でもなんでもないので……まぁ、うん、お互い大変ですね。

 

ここで嫌な顔するリア充はあんまり好きじゃないリア充です。だから不幸になれとも言わんが。

 

そんなアラン君が活躍するオリジナルパートですが、違和感はありませんでしたね。

 

たしかに「解決方法がダイナミック過ぎる」であるとかはあるかも知れないが、じゃあジーン君は「ああいう事」しないのか、という話になると、コレは「するね」と断言&即答出来る。むしろ原作のジーン君が若干「我慢していた」様に思えるレベルで、あの行動については違和感がなかった。

 

ポンポさん2以降のジーン君なら、あの程度は全然やるしね。

 

……「受賞した監督」でもかなりギリギリの権限を「新人監督」が行使するのってヤバくない?それはそう。でも、それはそう、で終わる話というのも、それはそうなんですよ。ジーン君はヤバいやつだからね。知らなかったのかい?

 

「それなりに」どころではなく良い映画でした。皆様もぜひ、ご覧ください。

 

……あ。2、3の間にOmnibusとか…色々挟まってくるの?それは知らなかった……アンソロジー的なアレかと思ってた……。今度見かけたら読もう。皆さんも注意してくださいね。俺は駄目だったからよ。古参面失格ですわ。するもんじゃねえな。

 

あと、(ネタバレ反転!)カメラ止めた後でバチクソに怒られてたとは思いますよ。話し合いの流れ次第では全然外部の情報出てきちゃってたからね。機密流出一歩手前……あの交渉自体が本来外に出たらマズいモノではあるだろうから、もうしちゃってるか。そりゃ多少は怒られますわ。

 

アラン君も決して順風満帆というわけではなく、そこまで不幸……と取り立てて言うほどではないにせよ、それなりには苦労してるのさ。それはたぶん、みんなそうさ。