節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

ジェイソン・ステイサムが出てきたらそりゃ逃げるやろ「キャッシュトラック」

 

貴方は映画の悪役で、これから人を襲います。その被害者の中に……ジェイソン・ステイサムが居たら、貴方はどうしますか?

 

そりゃ逃げるやろ。

 

いや、逃げるのは良くないですね。それまでに人的被害を出すなり、なにかしらの形でジェイソン・ステイサムに損害を与えていた場合、結局敵対してしまうので、逃げるのは良くない。

 

銃口を咥えてズドン。これがおそらく最適解であろう。でもこれで全滅したら映画が映画として終わってしまうので、逃げるのも悪い選択肢ではないというか、現実的にはこれが最も良い選択肢だ。個人としての最善の選択が集団にとっても最善であるとは限らない。囚人のジレンマですね。

 

予告編はここを切り出して「なぜテロリストは逃げたのか……!」って切り出してるので、ちょっと笑いました。ジョン・ウィックで「そもそもキアヌ・リーヴスの家に手を出すな」とか、そういうメタな構造のネタですね。役者さんの他作品での様子をネタにするのは、あんまり行儀のよい事では無いんですが、いやしかし、この映画のこのシーン……これ以上はネタバレ注意だな。

 

 

 

【あらすじ】

LAにある現金輸送専門の武装警備会社フォーティコ・セキュリティ社。日々、百貨店やカジノ、銀行などあらゆる場所から集められた現金を積んだ現金輸送車(キャッシュトラック)を運転するのは、特殊な訓練を受け厳しい試験をくぐり抜けた強者の警備員たち。ヨーロッパの別の警備会社の倒産で職を失くし、フォーティコに雇われた新人パトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)、通称“H”。同僚の“ブレット”(ホルト・マッキャラニー)の指導のもと、試験をぎりぎりで合格した彼は周りから特に気に留められる存在ではなかった。


しかし、ある日彼の乗ったトラックが強盗に襲われ仲間が人質に取られた時、驚くほど高い戦闘スキルでそれを阻止する。Hによって皆殺しにされた強盗への過剰防衛を疑うFBIも捜査に動くが、フォーティコの社長は仲間と現金を守り切った彼を英雄扱いする。Hはフォーティコでの地位を徐々に確立していくが、その数カ月後、新たな強盗によってHの乗るトラックがまた襲われる。しかし、今回は彼の顔を見た犯人たちがなぜか金も奪わずに逃げ出してしまった。

 

同僚のブレットやデイヴ(ジョシュ・ハートネット)は彼が一体何者なのかを疑い始め、Hの周囲は疑心暗鬼に陥る。そんな中、感謝祭の次の金曜日、全米で最も現金が動く日とも称される“ブラック・フライデー”にフォーティコ社に集められる約1億8,000万ドルの大金を狙った緻密な強奪計画が、静かに進行していた…

(公式HPより 引用)

 

ちょっと「確信かな?」ってところは反転するよ。公開してすぐの映画だからな。

 

予告編の例のシーンなんですが、この映画の中の時系列においても、既に襲撃犯を一度壊滅させた後のジェイソン・ステイサムなので、あの時点でジェイソン・ステイサムを「やべー奴だな」と思っていない同僚はだいぶ少なかったし、情報通の襲撃犯であるならば普通に逃げると思います。不意の遭遇戦はヤベーって。……まぁ、もちろん逃げた理由は別にあるんですが……あれって、Hの元の部下なので、そのヤバさが良く解っていた、という事で良いんですよね?あの髭の人、いたよね?部下に

 

というかあの「Hの元職場周り」がちょっと解りにくかったというか……。Hが現金輸送車の進路を調べたりあの職場の非合法的な雰囲気から推測するにHも「現金輸送車からの現金強奪」のような「非合法な仕事」には関与していてけれども自身の子供が巻き込まれた現金強奪に関しては、完全に別チームからの不慮の事故……って事で良いんです?

 

これはたぶん俺がこの映画をジョン・ウィック的な映画だと勘違いしていたせいもあるんでしょうが、俺はこの辺りのシーンで致命的に勘違いしてしまって、要するに「表に出てこない犯罪組織のボスとその息子を、末端の末端の末端の馬鹿チンピラ(ボスが表に出てこないから顔とか知らない)が撃ち殺してしまった」というジョン・ウィックのバカ息子を超えるバカがついに出たみてぇな妄想をしていましたので、ちょっと適応が遅れたよね。いや本当に……思っていたよりシリアスな映画だったんですよね。ガイ・リッチー作品、スナッチしか見たことがなかったから……似たようなノリかなって……。

 

はい反転ばっかりになっちゃいますのでね、ネタバレ控えめにして総評いきますよ。

 

まずガンアクションが良かった。ジェイソン・ステイサムが無双する……のは無双するんですけれども、けれども「銃を突きつけられたうえで拘束された状態はさすがにどうしようもない」ので何かしらのワンアクションを待つ必要がある、とか、「強い武器を持っている奴」がちゃんと強い、だとか、「SWATが出てきたら無理なのでひたすら逃げる」だとか、「裏切りはバレていないならちゃんと強い」だとか、「こいつ裏切るっぽいなー……と思っても計画中はなかなか処せない」だとか、そういう強さのバランスがキチンと成立した……うえでラストのジェイソン・ステイサムの謎生還ね。ここで外してくるがバランスのアクセントになってていい感じなんですよ、整え過ぎない、という。

 

悪役のキャラも良かったですね。特にジャンとブレット、この2人の最後のアレとか緊迫感が見事で……マジでどちらがっていうのは、確信が持てなかったですからね……。

 

ただそういう「良かった点」を考慮するにしても、ちょっとわかりにくい点があったのが少し残念……いや、勝手に勘違いした俺が悪いんだけれども。でもせめて「Hの息子が事件に巻き込まれた理由」に関しては、現金輸送車から離してくれても良かったんじゃないですか?それと「Hを見て逃げ出す襲撃犯」を髭の人じゃなくするとか……あれはマジで同じ人です?違う人?髭が似てるだけ

 

でも一番見たかった、ジェイソン・ステイサムの大暴れはしっかり見れたので、総評としては良かったです。

 

映画はやっぱりいいですね。銃弾!血!札束!裏切り!……という要素が好きならぜひ見てみてくださいな。

 

ところで最初の「ギリギリで合格した」射撃のテストで銃弾の当たった場所、もしかして肝臓、脾臓、肺、心臓だったりしました?一瞬だったのでそこまでは……。そーだったら、オシャで良いですね。