節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

ミスタのスタンド名の緊張感

ジョジョの奇妙な冒険におけるスタンドの名称の多くは、海外で変更されている。

 

スタンドの名称の多く、というか……「洋楽由来である事が明らかな名称」か。まぁ、スタンドの名称の多くで良いだろう。

 

これに関しては権利上の問題もあるだろうし、例えば日本人が『外国』の立場に立ってみたら「海外のアニメを見ていたら『サザンオールスターズ』と『コブクロ』が緊張感溢れる血みどろ能力バトルをやたらと濃い絵柄でしていたでござる」みたいな話になってしまい、いまいち入り込めなくなってしまうので、変更すること自体は納得できる。

 

納得は全てに優先するのだ。例えブチャラティのスタンドが「ジッパーマンになろうとも。

 

さて本題はここからで。

 

イード・ミスタという男がいる。彼はスタンド使いだ。銃弾に憑依し、軌道を操作する「セックス・ピストルズ」は対象の意識外からの狙撃を可能とし、本人の適性もあってなかなか強力なスタンドといえるだろう。単純な攻撃のほかに、偵察や仲間への連絡も可能とする長い射程距離・幅広い用途がウリだ。

 

彼のスタンド、「セックス・ピストルズ」は海外において、Six bulletsという名称に変更されている。6発の銃弾。「6体の群体型スタンド」という特徴、「弾丸操作」という能力のどちらもしっかりと表した、なかなか良いネーミングではないかと思う。

 

ジッパーマン「俺も特徴と能力はちゃんと表してるけどね」

 

黙れ。

 

ただその「ネーミングセンス」に思うところがあるとすれば、やはり「セックス」と「Six」だろう。なんだこの低レベルな掛詞は。もはや駄洒落ですらない。イキって下ネタを言ったけどなんか耐えきれなくなって誤魔化す小学生。

 

しかし「Six bullets」は確かに「6発の銃弾」以外の何者でもないので、実情には則している…………。

 

……違う!むしろ「逆」なんだ!

 

Six bullets」としか言いようがない、これ以上「Six」という単語が似合うスタンドは存在しないそのスタンドに、なんかミスタが「セックス」とか言い出したんだ!

 

低レベルな下ネタを誤魔化した、のではない!なんか突然低レベルな下ネタを言い出したんだ!

 

ジョジョの奇妙な冒険におけるスタンドの名称は、洋楽から取るのが通例である。しかし、これは作中に「スタンド命名機関」的なものがあり彼らによって定められたルール……というわけではなく、「なんかそれっぽい名前を登場人物がつけたら、不思議なことに現実世界の洋楽と一致する事が多い」というなんか不思議な現象である。

 

ちなみに例外もあるにはある。「アクア・ネックレス」なんかは「これだ!」とはっきりした元ネタが見つかっておらず、間違いなく邦楽が由来の「チョコレイト・ディスコ」なんてのもある。

 

ミスタがスタンドに目覚め、さて名付けるぞ、となった際……「シド・ヴィシャス好きだしセックス・ピストルズだ!」とはならなかったはずなのだ。「6人おるな……Six……だとそのまんま過ぎるな……!……セックス!」が自然な流れだろう。

 

多分、1番初めに「セックス・ピストルズ」という命名を聞いたのはブチャラティだと思うんですよ。ブチャラティは、一瞬何かを言いかけるんだけど、でも本人の精神の具現化に他人がどうこう言うのも、みたいに思い直して、結局は何も言わないだろう。

 

続いてフーゴアバッキオナランチャか。ミスタ、加入順で言うと後の方なんですね。

 

フーゴは頭が良く、真面目だ。恐らく「何かを言おうとして考える時間」はブチャラティよりも長い。しかし、最終的に「茶化すべきではない真面目な単語」として捉え、彼もまた何も言わないだろう。頭が良いので、まじめに考えてしまうのだ。それは決して悪いことではない。

 

アバッキオはチーム最年長の21歳。嘘やろ。なので、多分普通に流す。ああ、そういう時期か、とそんな風に。ミスタは18歳だから、まぁ実際そういう時期だ。

 

ナランチャナランチャを過度にショタとして観る見方もあるが、実年齢で言うと17歳だ。嘘やろ。無知シチュは無理がある。まぁ、実際ちょっと口から一文字くらいは出たかもしれない。ただここで前3人の反応が効いてくる。他のメンバーは何も言わん。流している!尊敬するブチャラティも……流している!ならばここは自分も流そう。それが大人の対応というものだ。

 

かくしてメンバー全員が流す事になったのだが、そうなるとミスタの反応も気掛かりだ。彼は「Sixだとそのまんますぎるから、セックス!」くらいの気持ちで、ちょっとしたボケくらいの感じで自分のスタンドを命名したのに、みんながそれを流している。流されると困る。今更「Six bullets」方向に訂正すると、ツッコミが入らない内にそれをやってしまうと、滑った下ネタを誤魔化したみたいになってしまう。それは避けたい。

 

かくして本人含めたメンバー全員が牽制し合って、今日に至るのかもしれない。後にジョルノとかいう新入りが入りましたが、アイツはヤバく、マジで気にしていないので、この膠着状態になんの影響も及さなかった。

 

下ネタの取り扱いには注意が必要。それはいつの世も変わらない。自らの精神の具現化を命名する際、下ネタと「捉えられかねない」単語を使うには、十分に注意する必要がある。

 

柔らかくてそして濡れている「お前が意識しすぎているだけじゃない?」

 

セックス・ピストルズ(Six bullets)については否定しないけど、お前は元ネタの歌詞からして完全にそういう意味だぞ。