「死んでるように生きたくない」とはジャック・クリスピンの名フレーズだ。聞いた事は無いが知っている。音楽は諸事情で聞けないから諦めよう。DIE SET DOWN とかで我慢しよう。
「大切な物は目に見えない」とはサン・テグジュペリ著、「星の王子さま」の一節だ。読んだ事は無いが知っている。家にはある。ずっと積んである。なので今回読みましょう。
……まぁこういう言葉に関しては、実際にはもっと早くに誰かが、例えば紀元前辺りにピラミッド作りに疲れたエジプトのオッサンが夜ビール飲みながら言ってたりするんじゃねえかなぁ、とは思うけれど。「最近の若者は」と叫んだその口で……アレはガセだったんでしたっけ?まぁ、全部、多分言ってるよ。記録に残っているかは知らんけど。
俺が初めて「大切な物は目に見えない」という言葉を目にしたのは、なんだったか。……遊戯王かなぁ?城之内が言うんですよ。「見えるんだけど見えねえモン」、こう言う表現で、友情を指して。この時はカード関係ない漫画の時ですね。魔少年BTのノリだった頃。「1話の不良」の牛尾さんがあんな事になるとは誰も思わなかったよね。
TCG漫画になった後も、孔雀舞と城之内が戦う際にこの言葉をヒントに香水戦術……「カード一枚一枚に異なる香水をつける事で次に引くカードを認識している」事を見極めたり、他にも色々、なんなら一つの「テーマ」として重要な役割を果たしていたりするんだけれども、それは今回のお話とは関係ないです。孔雀舞の恐ろしい才能のお話は、散々に既出だし。凄いよね。
今日はそんな「大切な物は目に見えない」という事を教えてくれるお話。「星の王子さま」の感想です。
フーッ!初のフォーリナーだぜ。コレでバーサーカー戦が楽になる。欲を言えば単体宝具が良かったが贅沢は言わん。パッシブの強化解除耐性には期待しているよ。
……ま。ボイジャー君と「星の王子さま」にどれだけの関係があるかは良くわかんないんですけどねー。そもそもFGOとRequiemで設定が全然違う、くらいは想定すべき事柄だ。なにせ基幹設定がまるで違うから。
しかし無関係という事は無かろう。少なくともメタ的な視点において、デザイン面での影響は受けているはずだからな。なので今回は「星の王子さま」です。
で、意外だったのは、コレ……「大切なものは目に見えない」、最初に言ったの王子様じゃ無いんですね。言ったのは、狐。「じゃあ秘密を教えるよ。とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない(p108)」と言って、王子さまが「いちばんたいせつなことは、目に見えない(p108)」と……オウム返しですからね。だからこれを「王子さまの名言」として認識していたのは、ちゃんと読んでいる人からしたら、「ニワカがよ」みたいな感じだったのかもしれません。いやこの後王子さまが色々その「実例」を見せてくれるから、間違いじゃ、ねえんだけどさ。
で、個人的に気になっていたのは「飛行士」で。これはRequiemでボイジャー……この時まだ名前は解らないけれど……あんな見た目のサーヴァントだったもんだから「『星の王子さま』の形をとったサン=テグジュペリ!」と主人公が予想したところで×××先生が……この人が先生やってんのビビったからぜひ読んで欲しい……「サン=テグジュペリは”王子さま”ではなく語り手である”飛行士”に自分を投影していたと推測されますね。『星の王子さま』も彼の遭難事故の経験をもとに書かれたものですし(p88)」とバッサリされちゃうシーンがあって、「へー、『飛行士』に自分を投影してるんだー」と思ったのはあって……これを安易に「自己投影」ってワードにしちゃうと、その言葉は最近扱いキツいんだけど……まぁ出来るだけ健全な意味で使うとして、今回は置いといて……。……「自己投影されたキャラ」と「自己投影した人」は、別ですからね?言うまでもなく!
そういう目で見ていたけれども、いや、飛行士さん普通に良い人でしたよ。特に出会いたての王子さま、普通にその……話が噛み合わないことが多いんですが、実に穏当なあしらい方をしています。一回キレられたけれど。泣かれたけれど。飛行機修理している最中に、「植物のトゲは何のためについているか」と聞かれたので、適当に答えたら……まぁ、多少は仕方ないっスよ。フォローの仕方はよかったんじゃないですか?知らんけど。子育てとか、それに類するコミュニケーションの事は知らん。何もわからん!
それにしてもそうか、遭難の経験を基にしているのか……。
……王子様が「実例」として出す「目に見えない大切なもの」に、「砂漠のどこかに隠されている井戸」っていう表現が、まぁ、あるんだけど……そんで、実際まぁ、比喩とかでは無く、井戸なんだけど……めちゃくちゃ挿絵に書かれてるんだけど……「いや見えるやないかーいwww」みたいな軽いノリで弄れる部分では、無くなってしまったな。見えねえっつってんだろうが!とマジ切れされて終わりです。隠されてるっつってんだろうが!はい。大変申し訳ありませんでした。
長く読まれているのも納得できる面白い作品でした。本当は各パートのテーマであるとか、そのセリフが何を戯画化したものであるのかだとか、そういう話をしようと思えばいくらでもできるだろうけれど、いくらでも出来るのでここでお終いだ。俺はソシャゲがきっかけで初読したんですよ。こんなもんだよ。
……ただ全体的な感想となると……地球に来る前に色んな「大人」に王子様が出会うパートがあって、地球で色々やる前振りというか……じゃあ一回「ダメな大人の例」を見ておこうか、みたいなパートなんだけれども。
ここも、まぁ、面白いんですよ。「ダメな例」が、「あー、いるわー」って感じで。「戯画化されてっけどああいう奴だなー」って感じで。星、基本的にソイツ1人しか描写されないんだけれども、どいつもコイツも「ここはこういう星で、私はこういう大人です」と存分にキャラ立てしてきて。面白いんだけれども。
王子様のリアクションが基本的にめちゃくちゃ辛辣なので……ねー、「こういう大人」側の人間としてはどうしても……「お前のこういう所がダメだ!」とは、基本的に言わないんですよ王子様。少し話して「貴方はそういう人なんですね、へー」で、気づいたら、どっか行ってるので。一番怖い去り方してくるんですよ。
ここがちょっと……結構な数繰り返されるので、王子様へのキャラとしての好感度が、若干削れた部分はあるね。「故郷の花」の下りとかはすげえ良い空気感出してたんだけど。
ちなみに推しのダメ大人はひたすら他所の星の所有権を主張する書類を申請しまくる実業家です。コイツが申請して、コイツが受理して、満足する事無く次の星を狙う。良い一人相撲だ。一人相撲で八百長しない奴は好感が持てますね。自分しか見ねえ書類なのでサボろうと思えば幾らでもサボれますけど、きっちり仕上げるからねコイツ。まぁ、ただ見ている分には良いでしょう。ハイウェイとか建てだしたらアレだけれども。
で、改めて思ったのは「よつばと」って凄えなっていう事で、こういう「大人と子供の視差」みたいな物をどちらの好感度にも影を落とす事無く、しかしある程度しっかり描いてるので。まぁ楽しみ方の違いだし、よつばと駄目だわーって人も全然いるんだろうけれど。
ボイジャーがよつばポジだったらイアソンはどのポジションでしょうね。とーちゃん?やんだ?ジャンボ?好感度はかなり高い部類にあるからジャンボかな。でも気質(あと見た目)はやんだ寄りだよね。
とーちゃんは相棒って事でエリセちゃん?……どうでしょう。悪い子じゃ無いんだけど家主としての安定感は少し……。隣の次女さん辺りが一番安心して見れるポジションじゃ無いでしょうか。読者目線ですけれども。
ちなみに俺が好きなのは虎子です。クールビューティ!