節足雑踏イケタライク

日々思った事や、書籍・映画・その他の感想なんかを呟きます。あまりマジメではございません。

ゲバルについて語るには良い日だ

刃牙シリーズ第3章、「範馬刃牙」に登場するゲバルというキャラクターについてバーっと書きたい。

 

そう言う日もある。

 

範馬刃牙のネタバレを若干含むので知らん人はネタバレ注意……というか、知らん人が読んでも何のことか解らないと思うよ。

 

 

 

ゲバル、妙に好きなんですよね。そんなに強いわけじゃないし、出番も少ないんだけれど。……強いわけじゃない……さりとて弱くもない……戦う相手が悪かった……しかし負け方もそれなりに悪かった……そんな、語る上では困るポジションの人です。

 

ゲバルはビスケット・オリバが捕まっている(そして豪華な部屋で毎日ステーキ喰ってる)刑務所で、“2”(セカン)という名で呼ばれている男である。その名の意はこの刑務所で「2番目」に強い男……ではなく、「2代目」繋がれざる者(アンチェイン)。そう。彼はあのオリバに取って変わろうとしていたのだ。

 

ゲバルは本名をジュン・ゲバルという。日本人の血が入っている。漢字で書けば純・ゲバルだ。キャラクターのデザインとしては、まぁ、その。ゲバラだ。そのまんまチェ・ゲバラだ。

 

……だから迂闊に好きっていうと、妙に政治的な主張と受け取られてしまう場合もあり、それはちょっと、困るね。

 

ゲバルは大統領である。

 

南米から独立を果たした、人口2万人ほどの小さな島。そこを統べていたのがゲバルだ。海賊として少年時代を過ごし、島の独立のために動き出したのは17歳。部下達に「武器の使用」を禁じ、「武器よりも強力な生身」を文字通りに身に付けさせた。

 

「生身」のアドバンテージとは何か。作中で描写されるその最大の優位性は、「感知出来ず、排除も出来ない」事である。いかに身体を鍛えていようがセンサーは反応せず、「貴方は強いのでココには入れません」、「貴方は強いのでコレは出来ません」とする事は、人道的に問題がある。

 

そうは言っても勇次郎レベルにならやって良いと思う……。

 

……ごめん、嘘。警備員さんが可哀想過ぎるわ……。確実にジャガるわ……。

 

ゲバルの部下であるカモミール・レッセンは、日頃は「大統領の護衛」として働いているが、その実態は生身・単独で航空機及び原発の奪取が可能なプロフェッショナルだ。ゲバルの独立を大統領が阻止しようとしたそのタイミングで「正体」を表し、ゲバルもえらい事やらかして、独立を成功させたのだが、コレも彼等が「武器持たぬ強さ」を極めたが故だろう。

 

カモミール・レッセンさんは立派な人ですよ。確実に勇次郎には勝てないが、それでもそれなり以上に上機嫌で勇次郎に褒められた人だ。

 

この様に独立を成功させたゲバルだが、当然の様に米政府からは危険視されていて、結果、「衛星による監視」を受ける事になる。コレは範馬勇次郎、ビスケット・オリバと同様の扱いであり、彼らが「ちょっと走る」と衛星が緊急作動し、結果として全世界のGPSがちょっとズレる。カーナビとかもズレる。迷惑な奴らだ。

 

そんな奴が、「アメリカで一番強いヤツ」であるビスケット・オリバを倒す為に監獄に入ってきたのである。迷惑な奴だ。

 

ちなみに主人公も同様の目的で大統領を誘拐したよ。

 

迷惑とかいう次元ではないんだよもはやそれは。

 

オリバなら普通に行って話せば会えるだろ。なんなら電話で呼べるだろ。色々あったんだから。コレは読み返す度に思いますね。独歩が虎を飢えさせたその理由、みたいなものなんだろうか……。本気のオリバと戦うにはああいった手順を踏む必要があった、というか……。

 

……さてそんなゲバルだが、その戦闘に欠かせないのが、時に相手からは「過多」ともされるほどの「演出」だ。

 

風車を某弥七の如くに飛ばしたり、前転しながら現れたり、風を呼んだり、放尿したり、泥で隈取を描いたり、瓶を開けたりしている。

 

列挙するとタダの変な人の様だが、俺は一切嘘をついていない。本当に放尿したんです!相手に引っ掛けたんです!戦士がどう、グラップラーとしてどうとかではなくて、人間としてどうなんだよそれは。

 

……でもゲバルの対戦相手も身動きの取れない相手に放尿するし……。……なんのフォローにもならんな。どういう漫画なんだよ。刃牙です。そうですか。

 

もちろん、実力が伴わないので演出で誤魔化している……という訳ではない。しっかりと喧嘩の実力はある。ならばこの演出には何の意味があるのか。

 

「ペースを掴む」ためのものである。

 

実際、この「演出」によってゲバルは3対1の数的有利、コンビネーションを容易く破壊して、更にはオリバとの試合に際し、自分の勝ち目が多いルールに持ち込む事に成功している。

 

……そう。ゲバルの見せ場は何と言っても、オリバとの戦いである。特にこの「ルール」が破壊され、不利な「殴り合い」になってからが真骨頂だ。

 

飄々としたゲバルが熱く戦う、その根底にあったモノ。ゲバルが何度も好んで呟く「死ぬには良い日だ」の真意。それらをしっかりと描写した後に放たれる、人類史上「初めて」の試み。

 

格闘技の世界においての常識を覆す、ゲバル最強の技。

 

「とらえろッッ」

 

「俺の脚--」

 

「地底の遥か底の底の底ーーーー」

「この惑星の真中心にある確かな物体」

 

「核の硬さを!!!」

 

……ファンからの通称、「地球拳」。

 

アメリカ最強の男との戦いの結末がどの様なものだったのかは、ぜひ皆様の目で確かめていただきたい。

 

多分、驚くと思います。俺は驚きました。

そういう決着ってアリなんだ!

 

……基本はナシだと思う……!

 

あと「死ぬには良い日だ」は兵士の言葉というよりは、ネイティブ・アメリカンの言葉らしいよ。